人生100年時代〜健康で生きられる寿命とは〜
金融業界でよく耳にする言葉ですが、
あらゆるシチュエーションで最近浸透してきた
ように思います。
『人生100年時代』
この言葉はある一冊の本で世界に響き渡る
言葉となりました。
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の著者
リンダ・グラットン教授が提言した言葉です。
人生100年時代は、100歳前後まで寿命が今後
伸びていくことに伴い、国や企業、そして個人が
ライフステージごとの見直しが迫られてくる時代
として語られてています。
まず、この寿命についてですが、3つの寿命の
考え方があるのをご存知でしょうか。
①平均寿命
寿命とは、0歳児が生まれてから死ぬまでの時間
のことです。
そのため、日本の平均寿命といえば、日本人が
生まれてから死ぬまで平均してどれくらい生きら
れるかを指します。
②平均余命
余命とは、ある一定の年齢から死ぬまでで、
あとどれくらいの時間生きることができるか
を指します。
そのため、30歳時点での平均余命といえば、
30歳の人が何歳まで生きられるかを指します。
③健康寿命
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限
されることなく生活できる期間のことです。
つまり、病気の治療や介護を受けながら生きて
いく期間などを除いた、健康で生きられる期間
の寿命を指します。
この中でも、一般的な寿命を指すのは平均寿命
です。
また、厚生労働省HPデータによると、平均寿命
と健康寿命はこのような遷移を辿っています。
ご覧のとおり、どちらとも右肩上がりです。
これは、医療技術の進歩や予防医療の発達に
より、死亡率が低下していることが大きな要因
と言えます。
また、平均寿命と健康寿命には10年前後の差が
見て取れますよね。
これが「健康でない期間」です。この差分期間は
何かしらの治療や介護などを受けながら過ごす
期間です。
今後はこの健康寿命の延伸がさらなる課題として
世の中が動いていくと予想されます。
なお、生命保険会社が各種保険の保険料を決める
際にも、この寿命は大きな算出根拠となって
います。
寿命に関する資料で「生命表」と呼ばれるもの
があります。
これは、ある年の10万人の新生児が各年齢に
達したときに、何人が死亡していて、何人が生存
しているかを、その時点で求めた年齢別死亡率に
基づき算出した表のことです。
そして、この生命表も3つ種類があります。
厚生労働省作成である
・簡易生命表
人口推計や人口動態統計により毎年公表
・完全生命表
国勢調査や人口動態統計により5年に1度公表
日本アクチュアリー会作成である
・標準生命表
生命保険会社データや完全生命表により不定期
で改定
保険会社が保険料算出の根拠として使用する
のは「標準生命表」です。
保険会社は加入者が亡くなられて、支払いが
発生したとしても、資金繰りに困りません。
それは、そのご契約ごとに「責任準備金」
というお金を積立しているからです。
この責任準備金をいくら積み立てれば良いか
という計算は、保険業法により標準化されて
おり、この金額を計算する基となるのが、
「標準生命表」なのです。
この標準生命表が2018年4月に11年ぶりに
改定になりました。
なぜ改定が起きるのかというと、「寿命の延伸」
によるものです。
先ほどの図に戻っていただくと分かるように、
2007年から2018年の改定に向けて、寿命は
伸びていますよね。
ということは、死亡率が低下しているという
ことです。
では、この寿命の延伸で標準生命表を改定する
理由は、適正な保険料を皆さんからいただく
ためでもあります。
保険料は標準生命表を基に算出されるとお伝え
しましたが、この標準生命表が正しくなければ、
保険料にも影響が出てきます。
そのため、この2018年4月頃にどのような現象
が起こったかというと、生命保険会社のほとんど
が死亡保険の保険料を引き下げました。
死亡率が低下している→死亡保険金を支払う
確率も低下した→その分保険料を下げよう
こういった理屈です。
一方で、死亡率は低下しましたが、その分
長生きする率は上昇しました。
その長生きする期間は何かしら病気などに
罹患するリスクが考えられます。
そのため、医療保険やがん保険などの保険料は
引き上げられました。
標準生命表が改定になることで、このような
事象が発生するのです。
人生100年時代。
今後も平均寿命と健康寿命の延伸に伴い、
生命保険にも一定の影響が出てきます。
その際には、保険の見直しなどをした方が
保険料が安くなるケースも出てきたりします。
また、人生100年時代で相談にあがる老後資金。
こちらについても準備が必要ですね。
過去記事もよければご参考ください。
この辺を的確にアドバイスしてもらえる、
お声かけしてくれるアドバイザーから保険は
ご加入してくださいね。
それでは。
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