入院日額と入院一時金〜得をする分岐点を知って保障の検討を〜
前回記事で「入院の短期化」について記載
しました。
本日の記事は、前回記事を事前に読んでいただく
ことをおすすめします。
その中で、「入院給付金」より「入院一時金」
を手厚く保障することについて触れました。
では、この入院の短期化を踏まえて、医療保険を
検討する際は、どのような医療保障を準備すべき
なのか2つの保障を比較していきます。
改めて、「入院給付金」と「入院一時金」に
ついておさらいをしておきますね。
入院給付金とは名前の通り、入院した際に
受け取れるお金です。
このお金は入院した際、1日にいくらお金を
受け取れるかご加入の際に決めて加入されて
いるかと思います。
この1日にいくらもらえるのかを「日額」と
言いますが、
入院給付金日額が5,000円であれば、
入院した際に、1日につき5,000円が出ます。
続いて、「入院一時金」です。
名前の通り、入院した際の一時金です。
一般的に、「特約」としてのオプション保障
のことが多いですが、この特約を付けていると
上記の入院給付金が支払われる場合に、この
入院一時金も支払いとなります。
※各社の詳細条件は約款を確認ください
例えば、入院一時金特約の金額を10万円と
していれば、所定の入院をした場合、10万円
という一時金をお受け取りいただけます。
2つの保障のおさらいはここまで。
では、前回記事で言及した「入院の短期化」
を踏まえて保障を考えます。
入院給付金の日額を増やすのがいいのか、
入院一時金の金額を増やすべきなのか、
今回の記事の内容はこの争点について検証
していきます。
例えば、2つのプランで考えます。
【Aプラン】
・入院給付金 10,000円
【Bプラン】
・入院給付金 5,000円
・入院一時金 20万円
では、入院を1日だけした場合はどうでしょう。
Aプランでは、
10,000円 × 1日 = 10,000円
Bプランでは、
5,000円 × 1日 = 5,000円
20万円
5,000円 + 10万円 = 20万5,000円
となります。
入院の短期化が進む今、入院をした際の1日
あたりの日額を増やすよりも、
入院の日額保障を下げて、入院一時金を増やす
方がパフォーマンスが高いですね。
ただし、すべての場合に、Bプランの入院一時金
を手厚くしたプランが良いとは限りません。
では、「入院日数 = X」と仮定して方程式を
解いてみましょう。
10,000円 × X ≧ 5,000円 × X + 20万円
となりますね。
では、方程式を解いていくと、
(10,000円 − 5,000円)X ≧ 20万円
↓
X ≧ 40日
となります。
そのため、今回例に挙げた短期化に良いと
されるBプランを入院給付金の日額が高い
Aプランが上回るのは40日以上の入院を
した場合となります。
前回記事で、入院日数のデータを見ましたが、
8割近い方が30日以内、半数以上の方が
14日以内に退院していました。
ということは、やはり40日以上なんて入院する
ことはないから、Bプランの入院一時金付きに
軍牌が上がると思いますが、
そうでもありません。
平成29年 厚生労働省の患者調査をもとに、
生命保険文化センターが作成しているデータ
から見ると、
・認知症 349.2日
・統合失調症 531.8日
・脳血管疾患 78.2日
などは入院日数が長いことが見て取れます。
そのため、いくら短期化が進んでいるとはいえ、
入院が長期化する疾病もたくさんあるという
ことです。
特に、「脳血管疾患」については罹患者数が
近年増加しています。
実に、日本では4人に1人が脳血管疾患の一番
重い病気である「脳卒中」に罹患するといわれ
ています。
そのため、入院日数の短期化でパフォーマンス
良く備えるにはBプランのような「入院一時金」
を手厚くしたプランが良いと思いますが、
こういった「脳血管疾患」を含む三大疾病、
残り2つは「がん」「心疾患」、
このような重い病気の場合にもしっかり対応
できる保障にしておくべきと考えます。
具体的には、三大疾病で長期化した入院にも
備えることができる「三大疾病入院無制限」
の特約であったり、
三大疾病の際に別で一時金がもらえる
「三大疾病一時金」などの特約で備えることが
おすすめできます。
まとめますと、
・入院給付金日額は減らす
・入院一時金の金額を増やす
・三大疾病等の保障を確保する
が私が個人的におすすめする医療保険です。
もちろんすべての場合において、上記の考え
が当てはまるとは思いません。
ここは、皆さんがどのような保障にしたいか
ご意向をしっかり私たち保険プランナーに
想いを教えてください。
それにあった内容に私たちはできる限り
近いご提案をさせていただきます。
また、余談ですが「入院一時金特約」も各社
支払いの条件が違います。
例えば、入院一時金が180日に1回であったり、
90日に1回であったり、
また、180日以内の別疾病による入院でも
もう一度一時金が支払えたり、
支払いの条件は様々です。
個人的には、180日に1回だとしても、
別疾病でもう一度支払える入院一時金特約が
おすすめです。
最近多いのが「新型コロナウイルス」による
お支払いです。
例えば、「大腸ポリープ」「ぜんそく」など
何かしらのご病気で入院された後に、
「新型コロナウイルス」に罹患されもう一度
入院されることなどが増えています。
この場合、別疾病での支払いが可能な会社は
どちらの病気もそれぞれ入院一時金がお支払い
できます。
また、新型コロナウイルスが在宅療養だった
としてもお支払い可能な会社もあります。
ぜひこの辺をしっかり教えてくれる方から
保険は加入してくださいね。
それでは。