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バリュー or グロース〜2つの投資手法の考え方〜

過去記事では、雰囲気投資家から脱却するための
2つの投資分析手法をご紹介しました。


2つのうちの1つで「ファンダメンタルズ分析」
がありました。

これは国や企業などの経済や財政状態をを分析
する投資手法です。

このファンダメンタルズ分析はさらに細かく
投資手法を分けることができます。

①バリュー投資
②グロース投資


の2つです。
本日はこれら2つの手法について、違いや特徴
をお伝えしたいと思います。



①バリュー投資

バリューは英語で訳すと「Value=価値」です。

バリュー株と呼ばれるものは様々な指標から
算出される企業価値より株価が低い状態の
株を指します。

そのため、本来の価値より「割安」であるため、
バリュー投資は割安な状態の株を買い、本来の
価値に高まることを期待して投資します。
よって、どちらかというと中長期期での投資と
されています。


このバリュー投資では主に2つの指標を用いて
判断をします。

・PER(株価収益率)
・PBR(株価純資産倍率)

この2つがよく使われます。

PERは下記の計算式で求めます。

PER = 株価 ÷ 一株あたりの純利益

これは会社の利益に対して株価が高いか安いか
を判断する値です。

例えば、一株当たりの純利益が100円として、
株価が1,000円だとすると、

1,000円 ÷ 100円 = 10倍

この答えとなる数字が大きければ大きいほど
「割高」、小さければ小さいほど「割安」
となります。


PBRは下記の計算式で求めます。

PBR = 株価 ÷ 一株あたりの純資産

これは会社の資産に対して株価が高いか安いか
を判断する値です。

PBRの目安は1倍以上なら「割高」、1倍以下
であれば「割安」と判断します。


このような指標を用いて企業価値に対して、
今の株価が高いか低いかを判断して投資する
手法がバリュー投資です。

バリュー投資は株価の変動が比較的安定している
反面、短期間での株価の跳ね上がりは期待できない
といった特徴があります。

②グロース投資

グロースは英語で訳すと「Growth=成長」です。

グロース株と呼ばれるものは様々な指標を加味
して、企業の成長性が高いと判断される株を
指します。

そのため、売上高が年々増加している企業や、
革新的な商品やサービスを打ち出した会社など、
今後の企業の成長性を見極めて、中長期で投資
をする手法です。

このグロース株では四季報や経営方針など含め、
様々な指標を確認しますが、中でも

・ROE(自己資本利益率)
・売上高成長率

などが主に見られます。

ROEは下記の計算式で求めます。

ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

企業が自己資本でどれだけ効率的に利益を出して
いるかどうかが分かる指標で、10%以上であれば
比較的優良企業とされます。

株主から見ると、自分の投資したお金がどれだけ
有効活用されているかがわかります。


売上高成長率は下記の計算式で求めます。

売上高成長率 =(当期の売上高 - 前期の売上高)
÷ 前期売上高

前期と比べてどれだけ売り上げが伸びているか
どうかがわかります。

この値が大きければ大きいほど、成長している
企業とも捉えられます。


このように多角的に企業の成長性を判断し、
今後も大きく発展していきそうな企業に対して
投資する手法がグロース投資です。

グロース投資は株価の変動が激しい反面、
急激に成長を遂げて株価が何倍にも跳ね上がる
ようなこともあります。


バリュー投資およびグロース投資ともに、
メリットデメリットがあり、どちらも優れた
投資手法だと考えますが、自身のリスク許容度
や投資計画だとを加味して使い分けるといいと
思います。

いずれの投資手法も、個別の企業に対して投資
するのは自分のリスク許容度に見合わないという
場合は、バリュー銘柄やグロース銘柄を多く
組み込んだ投資信託やETFを活用するのも1つ
です。

ぜひこのバリューとグロースという観点でも
企業分析を行ってみてください。

それでは。

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