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嬉野温泉の旅館で働こうと思った理由を新入社員に尋ねてみた
こんにちは。「嬉野温泉 暮らし観光案内所」の編集長を務めております、ライターの大塚たくま(@ZuleTakuma)です。
嬉野にも春がやってきました。
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2024年4月1日。例年よりも1週間くらい遅れて桜が満開になったタイミングで、旅館大村屋では新入社員を迎えるための入社式が開催されようとしていました。
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入社式は例年、ヘネシー吉川さんが小慣れた様子で司会を務めていました。
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今年は、直前の大抜擢で3年目の植松さんが司会を務めることに。緊張の面持ちで、入社式の司会のリハーサルを行っていました。
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大村屋が新卒採用を始め、入社式を行うようになって3年目。それまでは、新卒採用を行っていませんでした。この3年で、旅館大村屋には17名の社員が入社し、アルバイトも含めると27名のスタッフが増えました。なぜ、ここまで採用が成功したのか。旅館大村屋15代目の北川健太さんはこう語ります。
「大村屋で働く労働者ではなく、嬉野で暮らす人を増やすという気持ちで採用活動を行っています」
実はこの「嬉野温泉 暮らし観光案内所」の情報発信も、もともとは採用活動の成功のために始めたものです。「旅館大村屋で働きたい」と思うよりも先に、「嬉野で暮らしたい」と思ってほしい。そんな想いで、「暮らし観光」の情報発信を行い、旅館大村屋の志望者に「嬉野で暮らすこと」をイメージしてもらったのです。
そんな採用活動が功を奏し、今年度も新入社員を迎えることができました。いよいよ入社式が始まります。
当日の様子はこちら
「強い人間関係を築きながら働きたい」
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先輩社員の拍手で迎えられつつ、新入社員が登場しました。今年度の新入社員はこちらの3名です。
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新入社員の一人目は、山口涼風さん。佐賀県内の大学を卒業し、旅館大村屋に入社しました。
もともと、IT業界やコンサル業界などを志望していたという山口さん。そんな山口さんの考えを大きく変えたのが、昨年12月に参加したまち歩きのイベントだったそう。
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「事前にアポをとって巡ると思っていたら、アポなしで巡ったので驚きました。でも、ありのままの嬉野の姿が見られたので良かったです」
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そのまち歩きイベントを通じ、山口さんは「嬉野でなら、一人ひとりと強い人間関係を築きながら働けるのではないか」と考えるようになります。人間関係をベースに嬉野で「働きたい」「暮らしたい」という想いが強くなっていきました。そして、そのまち歩きイベントから3ヶ月も経たないうちに、これまでの志望とは全く異なる大村屋への就職を決めたのです。
山口さんは「お客様にとっても、スタッフにとっても、親しみやすく、信頼できる社員になりたい」と意気込んでいました。
「大村屋の料理で笑顔になってほしい」
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田中さんは、嬉野市民です。高校の進学調査志望で、家から通える職場を探していました。
家族で周辺の職場でどこが良いかを意見交換しながら話し合っていたところ、「旅館がいいよね」という話に自然になっていったそうです。
家族みんなで就職先をワイワイ話し合うって、なんかいいですね。
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大村屋への志望意欲が高まったのは、「応募前職場見学」です。応募前職場見学で、旅館大村屋の館内の雰囲気や、先輩社員のあたたかい対応に心惹かれるようなりました。
「大村屋は嬉野の発展に貢献している旅館だと思います。私も嬉野市民なので、嬉野に何かできたらいいですね」と語る田中さん。まるで、嬉野市役所に就職したんじゃないかというコメント。まさに、大村屋で働く以前に、嬉野で働くという意識の方だ……。
田中さんは調理志望とのこと。「お客さんを笑顔にできるような料理を作れるようになりたい」と、夢を語ってくれました。
「嬉野の発展に貢献したい」
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土田さんも、田中さん同様、佐賀県内の高校からの入社です。当初は、進学と就職で迷っているような状況でした。
人と接することが好きで、人のために何かをして喜ばせることが好きだと語る土田さん。観光業に関心があり、旅館での就職にも興味を持っていました。
最初は「休日の多さ」などの求人票の条件の良さで目に留まった、大村屋。そこから、インスタやTikTokでの発信に目を向け、興味関心が膨らんでいき、「応募前職場見学」で大村屋を訪れます。
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「他の旅館と比べて大きな音で音楽が流れていたり、たくさんの本があったりする旅館の個性的な雰囲気に惹かれ、いい職場だと思いました」
これからは国内のお客様だけでなく、海外のお客様にも喜んでもらえるように努力したいとのこと。「英語や韓国語を話せるように頑張りたい」と意気込んでいます。
さらには「嬉野の発展に貢献したい」とも。基本的に旅館を通じて、嬉野全体に照準を合わせている新入社員の姿勢に驚いてしまいました……。
入社式直後にスリッパ卓球で交流を深める
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新入社員を前に、旅館大村屋代表の北川健太さんより挨拶がありました。旅館の屋号である「大村屋」になぞらえて、「大村屋を大きな村のような宿にしたい」という目標を語っていたのが印象的でした。
いろんな個性を持つ人たちが集まって、一つの目的に向かって力を合わせた先には、きっと豊かな世界が待っているはず。見守るぼくも、大村屋の未来が楽しみになりました。
そのあとは毎年恒例のスリッパ卓球大会です。
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入社式が終わって、そのまま同会場でレクレーションというのも、いかにも大村屋らしいアットホームさ。きっと新入社員の皆さんも、先輩社員の皆さんの想いを受け取ってくれたことでしょう。
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そのあとは、旅館から外へ。温泉街のまち歩きに出発です。
ほかの旅館もご紹介!入社記念の嬉野まち歩き
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まず、向かったのは旅館大村屋のすぐそばにある、公衆浴場のシーボルトの湯。嬉野温泉のシンボルです。
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シーボルトの湯に展示されている写真の資料を使いながら、シーボルトの湯の歴史を説明します。シーボルトの湯が「古湯温泉」だった時代から、何度も再建されるほど、住民にとって大切な場所であったことを学びました。
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シーボルトの湯のバルコニーからは、新入社員を祝福するかのように、嬉野温泉公園の満開の桜が一望できました。今日は天気も良くて、最高だ。
次に訪れたのは「食彩市場きはら」です。
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旅館に野菜を仕入れるだけでなく、地元のお客さんに野菜や果物はもちろん、お弁当が大人気であることを説明。一人暮らしだったとしても、ここでお惣菜を買えるから安心ですね。
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さらには別の旅館にまで、足を運びます。ひさご旅館の若女将にも、新入社員をご紹介しました。
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嬉野で最大の旅館である和多屋別荘もご案内。和多屋別荘内のデリが美味しく、大村屋スタッフのお昼ごはんとしても人気であることも伝えました。
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入社してすぐ、入社した旅館の社長と競合であるはずの旅館に行って、挨拶してみるだなんて、なかなか普通では考えにくいことかもしれません。
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こうやって、新入社員は嬉野の温泉街に自然と馴染んでいくのでしょう。
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橋爪菓子舗では、お客さんから声をかけられました。
「大村屋の新入社員ですか! 大村屋といえば、嬉野の顔みたいなもんですから! 頑張ってくださいよ」
ぼくは新卒で入社した会社は東京でした。地域の人から「頑張って」と声をかけられるなんて、考えられない。孤独で、ただただ不安だったな。それとは真逆の世界観。
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「これからここで暮らしていく」と実感するような、有意義な時間になったのではないかと思います。
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これから彼らが旅館大村屋という舞台で、どのように活躍していくのか、ぼくも期待して見つめようと思います。
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もし、あなたも旅館大村屋で出会ったら「記事をみたよ」と声をかけてあげてくださいね。
「嬉野温泉 暮らし観光案内所」次回もご期待ください。