[シリーズB]13.1億円資金調達して、IVRy(アイブリー)はどこへ向かうのか?
1. はじめに
IVRy(アイブリー)代表取締役の奥西です。
IVRyは、スモールビジネス・中小企業もIVRを安価にカンタンに利用できる電話自動応答サービスです。
最近は「電話GPT」をサクッとリリースして、バズったりしてました笑
この度、IVRyはシリーズBラウンドにて、13.1億円の資金調達を実施し、総額17.1億円の資金調達額となりました。合わせて、AI音声認識機能とChatGPTを利用した音声通話の要約機能もリリースしました!
2. IVRyの「これまで」
2.1. 提供価値
従来、スモールビジネス・中小企業でも、IVRシステムを導入し、電話業務を効率化できると良かったのですが、システム開発費に数百万〜数千万円かかるため、コストの問題からIVRシステムを導入することが難しく、似たような電話対応を毎日行っていました。
そのため、「安価に誰でも利用できる電話自動応答サービス」をコンセプトに、「ノーコードで誰でも自由に設定でき、わかりやすいのでセールスやサポート工数がかからない」を制約条件として、サービスを設計・改善を進めてきました。
2.2. 利用状況
その結果、おかげさまでリリースから2年半程度で、「累積アカウント発行数は5,000件以上、累積着電件数も500万件以上」と利用数は拡大し、売上成長率もYoYで600%成長とT2D3を超える勢いで成長しています。
また、「導入業界数も50以上、47都道府県」でご利用いただけるようになり、本当の意味で「誰でもカンタンに」利用できるサービスとなることができました。
東横イン様やオンデーズ様、100本のスプーン様、京阪ホテル様、なの花薬局様といったような誰でも知っている企業様でも利用されるようになり、最近は街を歩いていながら、「あそこでもIVRy使ってもらってるなぁ」と思いながら歩くことが多くなりました。
更には、宮古島のリゾートホテル様や鹿児島のお茶屋さん、北海道の紋別郡のホテル様でも利用いただいており、地方の方々にもドンドン使ってもらっていて、日本中のどこでもIVRyをご利用いただいていたりします。
2.3. 資金調達
2021年12月に、はじめての資金調達であるシリーズAで3億円の資金調達を実施しました(一般的にシードと言うのかもしれませんが、事業進捗的にはシリーズAのほうが近いだろうということで、シリーズAとしました)
当時は(今もたまにありますが。。)、「今、電話?」みたいな顔をされることが多く、あまり評価をしてくれる投資家も少なかったです。
そんな中で、運良くフェムトさん・プレイドさんと出会うことができ、(今も変わらぬ)当時からの戦略をしっかり理解していただき、IVRyの可能性を評価していただき、未来を信じて、この1年3ヶ月一緒に走ってきていただきました。
そして、本日スタートアップ冬の時代と言われる中、シリーズBで13.1億円の資金調達をフェムトさん、Headline Asiaさんをはじめ、BRICKS FUND TOKYO(三菱地所CVC)さん、SMBCベンチャーキャピタルさん、MUFGキャピタルさん、みずほキャピタルさんからさせていただき、今後ご一緒させていただくことになりました。
※既に、様々な取り組みで事業シナジーがたくさんあり、株主にするには本当にオススメの方々です!
資金調達まわりの話を聞きたい方はこちらから↓
3. IVRyの「これから」
プレスリリースにも記載しましたが、今回の調達資金は以下3つの活用用途を考えています。
GPT-4やChatGPT等のAI技術を中心としたプロダクト開発
認知拡大に向けたPR・マーケティングの強化
各ポジションにおける採用活動の強化
なぜこの3要素としたのかということを具体化して記載していこうと思います。
3.1. LLMs(大規模言語モデル)の台頭によって、変わる考え方
近年のLLMsの技術進化は言うまでもなく、とてつもない速度と性能で進化しています。本日のリリースでは、ChatGPTを利用した通話内容の要約機能をリリースしましたが、今までノウハウだった技術がChatGPTやGPT-4(または5以降)によって、簡単に実現できてしまう世界となりました。
元々、AIによる非構造化されたデータの扱いはうまくいく時代が来るのではないか?というヨミではいましたが、直近の進化を鑑みながら、プロダクトの構想をリバイスしていると、従来の事業戦略設計やプロダクト設計、アーキテクチャ設計は大きく変わっていく変革期にあることに気づきました。(進化が早すぎて、今後意味のない示唆になるかもしれませんがw)
事業戦略やプロダクト戦略の観点では、「深いアカウント接点数」と「ユニークなデータ」が今まで以上に重要になると思っています
(特に、非構造化データの可能性は大きく広がったと思います)アーキテクチャ設計やプロダクト開発の観点では、今後のLLMsの進化をヨミながら、「作り込むもの・作り込まないもの」をしっかり判断しつつ、開発を進めていく総合的なプロダクト運営力がより重要になると思います
(今考えぬいた設計の実装が、半年後に全く無価値になる可能性もあるのが、2023年の状況だと捉えています)会社運営の観点では、よりAI-Basedな考え方で組織設計や運用設計がデザインできるかによって、会社運営や事業運営に必要な人材ポートフォリオや人数が変わっていくと思っています
(現在の考え方とは全く違うスキルが必要になるかもしれないですし、人員数も1/2~1/3程度で運営できるようになるかもしれないと思っています)
3.2. プロダクトの「これから」
IVRyとしては、引き続き、顧客価値の最大化に向き合っていくことだけは今までと全く変わらず、しっかりとクライアント様の課題と向き合い、価値あるプロダクトを提供していきたいと思っています。
(嘘と思われるかもですが)元々、ここ数年のAIの非連続な進化を見ていると、とんでもないAIが数年以内に出てくるだろうと考えており、あえて自社でのAI開発には力を入れず、当初から戦略的に「クライアント接点の拡大」と「ユニークデータの拡大」を続けてきた経緯があります。
そんな中で、(思ったよりかなり早かったんですが)ChatGPT/GPT-4といった本当にすごいAIが出てきたなという感じで、今までしっかりプロダクトを整え、アカウントを増やし、データの数も質も戦える状態を整えてきたので、待っていました!かのように、この技術を利用して、しっかり価値提供していこう!と考えています。
(遊びに近いですが、10分ぐらいで作った電話GPTが1週間で1万着電してました笑)
そのため、今後はAIを絡めたプロダクトをどんどん開発していこうと思っており、その第一弾としてという意図で今回の資金調達と同時にAI音声認識やChatGPTを使った音声通話要約機能のプロダクトリリースも出しました!
実は上記はまだまだ序章でしかなくて、LLMsを応用的に利用したプロダクト開発がドンドン進んでおり、4月以降もおもしろいリリースがたくさん仕込んでありますので、ぜひ期待しておいてください!
より具体的な話が聞きたければ、以下からカジュアルに聞いてください!
3.2. ビジネスの「これから」
IVRyの問題設定は、以下3点でIVRyはこの問題に対して、しっかり価値提供をしていきたいですし、今・そして、これからはもっとたくさんの価値を提供できると考えています
日本の法人のうち99.7%は中小企業で、そのうち8割は人手不足と感じている
25年後には、労働人口が今より約2,000万人少なくなり、生産性を高めないと成り立たない
日本の国際競争力は年々低下していて、ビジネス効率性は55位と多くの発展途上国よりも低い基準
今までIVRyを提供し、クライアント様に届けてきて感じる社会的意義は、スモールビジネスや中小企業をはじめ、地方や離島、多種多様な業態・業種の方々が利用してくれていて、従来は自己投資するにも大企業と比べて金額がなく、今までは最先端の技術をすぐに利用することはできなかった企業がほとんどで、価値あるソフトウェアをすぐに届けられることが、IVRyがSaaSとしてビジネスを行う意義だなと感じています。
この「企業の自己投資の非対称性」を少なくし、最先端の技術が詰まったプロダクトを、マーケティング・セールスの力でしっかり浸透させていくことがなによりも日本のDXを推進することですし、意味があると思ってやっています。
(実は、IVRyみたいな多種多様なクライアント群と数で利用いただいてるサービスってかなり希少で、IVRyだからこそ実現できる社会課題への打ち手が多いなと感じています)
また、IVRyは再現性を追求する運営を行っており、より再現的な手法を構築し、その手法によって、構造的にセールス・マーケティングの両面からもMOATを作る仕掛けを検証し始めています。
様々な施策や取り組みを行っているので、ご興味がある方はぜひこちらから
3.3. コーポレートの「これから」
IVRyでは、よりAI-Basedな組織運営をしていこうと考えています。
いま時点で、ChatGPTは全員に積極的に触るようにアナウンスし、これからのIVRyではAIを扱うことを前提とした運用フローを当たり前のように整えていこうと考えています。
※会社としても、NLP学会にスポンサードし、奥西自身も話を聞きに行ったりしました
IVRyでは、これまでも部署や役職を作らず、プロジェクト制で進めていたり、オフィスを楽しい場と定義し、「来ないといけない」から「行くと楽しい」にするための施策をしてきたり、様々な従来の手法とは違う試みをやってきました。
※大企業出身者が多く、従来手法ではいずれ頭打ちが来ることがわかっていたので、チャレンジングだが中長期を見据えて、アジャイルに組織運営を検証しています
先程も記載したとおり、現在は本当に技術の変革点だと考えていて、これから数十年成長し続ける会社を作っていく上で、創業初期からコーポレートの設計をどう設定するのか?を考える大事なフェーズだと考えています。
そんな中、運良くIVRyはまだ22名で運営しており、まだまだ変更に柔軟な状態です。
そして、これからコーポレート組織を設計していくフェーズ(人事は1人もいないですしw)なので、設計からAI-Basedで考えられるのは相当なアドバンテージだと考えていますし、2023年以降の会社経営において大きな強みになると思っています
※数百人を超えた会社にいた経験がありますが、変化をするためには多大な時間と労力がかかります
(ここに関しては、本当に準備していなかったのでw)まだまだ未整理・未検討なことが多いですが、これから設計していくフェーズなので、興味がある人は以下から気軽にお願いします
4. IVRyで働く魅力
ここまで色々と書いてきましたが、さてIVRyで働く魅力ってなんなんだろうなと思い、僕自身はファウンダーであまり客観性がないので、IVRyの中にいる人達に、「なぜIVRyにジョインしようと思いましたか?」とアンケートを適当に投げてみました。
上記から言えることは、「事業もプロダクトも良いけど、結局一緒に働く人が優秀で地に足つけてしっかり進めてるよね」ってところだと思います。
IVRyには、リクルートやfreee、LINE、楽天といった事業会社のエースだった人たちが続々と参画し、顧客価値に向き合い、みんなで協力しながら、しっかり地に足をつけて事業を営んでおり、会社のバリューである「To-Be Oriented」「Feel Special」「Simplify x」を大事に、「Work is Fun」な遊び心を持って、日々楽しく仕事をしています
※(ほぼ社内しか読んでいないと言われているw)ブログはこちら
上記にもありましたが、それぞれの専門性を持ったプロフェッショナルな人たちが多く、かなり能力もつきやすいですし、なにより事業が伸び続けている会社で、オープンなコミュニケーションや意思決定、事業数値を見れること自体がかなり価値だと思っています
(僕の経験では、経験は失敗だけでは成長できなくて、成功体験をしたときにはじめてギャップがわかってノウハウと化すと思っています)
そして、他の会社とは違って、やろうとしていることの壮大さに対して、本当に人がいないです
※3月末時点で社員は22人しかいなくて、本当に機会しかないです!
明日以降、資金調達ブログリレーが続いていき、様々な角度から様々な話が見れると思いますので、ぜひご期待ください!
5. おわりに
社内の全員が口を揃えて言うんですが、「IVRyの2023年はおもしろすぎるから、今すぐ入らないほうが機会損失」だと思っています笑
※最近は、毎日新しい価値を発見できたり、アライアンスの話が舞い込み、社内のtimesで毎日のようにこんな投稿をしてます笑
IVRyは、プロダクトもBizもコーポレートも、本当にべき論を考え抜いて議論し、Feel Specialな心でコミュニケーションし、最後はSimplifyして実行していく、本当に素敵なチームです。
もし少しでも興味があれば、気軽にカジュアル面談や採用応募をしていただければ喜びますので、何卒よろしくお願いいたします!