Ryo Tanaka

ベンゾジアゼピン系薬剤の依存からの離脱手順書「アシュトンマニュアル」の翻訳に関わりました。 それにまつわるあれこれ、それから精神科医の皆さんにお伝えしたいことを書き残していきます。 どうぞ、よろしくお願いします。

Ryo Tanaka

ベンゾジアゼピン系薬剤の依存からの離脱手順書「アシュトンマニュアル」の翻訳に関わりました。 それにまつわるあれこれ、それから精神科医の皆さんにお伝えしたいことを書き残していきます。 どうぞ、よろしくお願いします。

最近の記事

当時から世間に注意喚起していた医師たち ④(内海聡さん前半)

前回の投稿からおよそ7ヶ月が経過しました。もし更新を楽しみにされている方がおられるようでしたら、申し訳ありません。 以前にもお伝えした通り、この問題、私でしか書けないこともあり、最後まで書き切らなければ死ぬに死ねないとまで思うことしばしばなのですが、いかんせん、その気力が湧きません。 noteのことを思い出さない日は決してないし、一日の中でも「書かなければ」という思いが思考の中にない時間帯というのも余りなく、日々苦しいというのが正直なところ。言いたいことを整理して、読み物

    • 当時から世間に注意喚起していた医師たち ③

      久しぶりの投稿となります。 ネタがネタだけに、更新する気力がみなぎってきた!という日が訪れることはありません。よく思うのですが、精神医療で辛い体験をした人には、性犯罪被害者に似た傾向のみられるケースがあるのではないでしょうか? ・相手に対峙しようとすればするほど逆に深く傷つくことが明らか(1) ・だからと言って相手を見逃す訳にはいかないという思い(2) ・1と2を行ったり来たりする葛藤 ・その葛藤は深く、告発まで長い期間を要する 他には、、 ・相手は悪いことをしたという罪

      • 当時から世間に注意喚起していた医師たち ②

        では、前回からの続きとなります、、 3、戸田克広さん 戸田さんの専門は繊維筋痛症。つまり、精神科医ではありません。戸田さん執筆のこの冊子は、当時、私もダウンロードし、参考にさせて頂きました。現在でもここからダウンロード可能のようですね。 戸田さんに敬意を示したいのは、きちんと実名を出して、これだけの情報を一般人がアクセスできる形で公開されていたこと。というのも、当時もネット上で、ベンゾ常用量依存問題についてブログで細々と発信している精神科医も僅かにいた記憶がありますが、

        • 当時から世間に注意喚起していた医師たち ①

          私にソラナックスを処方し続けた当時の主治医は権威的精神科医。そこそこ有名。 そんな名の知れた医師がソラナックスについて、「20年、30年飲み続けて大丈夫な安全な薬」と言う。止め方について質問しても、「うつの薬は止め方に気を使うけど、これ(ソラナックス)は大丈夫。(0.8mg錠を)半分に割って減らして止めたら良い」と、ただそれだけで、一日3錠、つまり、2.4mg/dayを60日分処方されました。0.8mg錠を半分に割るということですから、事実上120日分一括処方。凄い。凄過ぎ

          耐え難い離脱症状と医師の無理解の中、無我夢中でアシュトンさんに連絡をとる

          私がソラナックス(アルプラゾラム)を断薬したのが2009年夏 依存性や離脱症状の存在なんて、医師からはこれっぽっちも知らされることはありませんでした。なにせ「20年、30年飲み続けて大丈夫な安全なお薬」と言われていたのですから。 断薬直後から耐え難い症状が怒涛のように出現して、心身共に疲弊し動揺した状態が続きました。 一体、私の身に何が起きているのか? たとえば、目は眩しく酷く痛む。眼球の奥に石ころが入っているような痛み。 手はピリピリと痺れる。 毎晩毎晩、睡眠中に

          耐え難い離脱症状と医師の無理解の中、無我夢中でアシュトンさんに連絡をとる

          伝説の掲示板やアシュトンマニュアルや内海聡さん

          前々回の投稿の続きとなります。今から十数年前の2010年前後、一般人が依存や離脱の情報を得ることが極めて困難だった頃、頼りにされていた掲示板があったということを前々回の記事でお話ししました。 その掲示板でもアシュトンマニュアルが紹介され、恐らく主に管理人のたまごエンジェルさんだったと思うのですが、誰かが細切れに翻訳しながら、ベンゾ離脱の情報を共有していました。 私自身もアシュトンマニュアルやアシュトンさんの論文を引用しながら、他の投稿者の悩みに助言をすることもありました。

          伝説の掲示板やアシュトンマニュアルや内海聡さん

          アシュトンマニュアルは医療界へのメッセージ

          久しぶりの投稿になります。今回は、予定を変更した内容となり、このシリーズを書き残そうと決めた、私自身の心的な背景を思いつくまま述べてみます。 さて、前回の投稿からどうしてこんなにも期間が空いてしまったのか? それはこの作業が苦痛だから。 では何故苦痛なのか? いくつかその理由は思いつきますが、一番大きなものは、このシリーズを書き上げたとしても、また大きなストレスに晒されるであろうことが予想されるから。 その予想されるストレスとは? ある精神科医から、ボロクソに言わ

          アシュトンマニュアルは医療界へのメッセージ

          伝説の掲示板

          前回の投稿では、私が断薬した頃、つまり2010年前後には、ネット上にベンゾ依存・ベンゾ離脱に関して日本語で得られる情報は殆ど存在しなかった、というお話をしました。 当時、離脱や依存のキーワードで検索をかけて辿り着く情報には、まず当事者たちのブログがありました。こういうのは今でもあるのかもしれません。 他には、向精神薬、精神科処方薬の害に苦しむ当事者たちの拠り所になっていたある掲示板がありました。 その掲示板の名前は忘れてしまいました。しかし、管理人さんの名前は今でもよく

          伝説の掲示板

          カバー写真について

          頭の中がまとまらないままこのnoteを始めました。 伝えたいことは山ほどある。しかし、残念ながら頭の働きがかなり鈍いというのが歯痒い。 記事を書きながら、そして更新しながら、この混乱する私の頭の中を整理していく。私がnoteに手を出した意図のひとつはこれかもしれません。 まずは、カバー写真について説明します。 左の青い冊子がアシュトンマニュアル。取り寄せた正確な時期は忘れましたが、恐らく2010年か2011年のことだと思います。アシュトンマニュアルは、当時からこの英国

          カバー写真について

          アシュトンマニュアルについて、それから精神科医の皆さんにお伝えしたいこと

          はじめまして。私はアシュトンマニュアル翻訳にかかわった田中涼と申します。 まさか、私が note で発信することになるとは思ってもみませんでした。 しかし、ちょっとしたことがきっかけで、アシュトンマニュアル日本語版が公開された当時の精神医療がどういう状況だったのか、どういう思いで日本語版を公開することにしたのか、などなどについて、生きているうちに、元気なうちに書き残しておいた方が良いと思うようになりました。 とはいっても note には全く不慣れな私。不慣れというより、殆

          アシュトンマニュアルについて、それから精神科医の皆さんにお伝えしたいこと