思い込みを利用せよ。
「人間は思い込みの生き物である」
そんな文言を目にしたことがある。
どこで目にしたかはわからない。少なくとも1か所ではない。本で見た気がするし、授業で聞いたことがある気もする。テレビで見たことがある気も。
それくらい世の通説の一つとして普及しているものなのかも。
あなたは上記の言葉にどのような感情を抱くだろう。
「私もそう思う」となるだろうか、「そんなことはない」となるだろうか。
私は「そんなことはない」と思っていたが、「言われてみれば確かにそうなのかも」と思った人だ。
それくらい考えというのは変わっていい、そう思ってる。
高校時代の野球部の頃を思い出す。
名前も実力も知らない高校と練習試合をすることがある。そのとき、相手ベンチの方で自分たちより明らかに体がデカい選手たちがウォーミングアップをしていたらビビっていた記憶がある。
「絶対あそこ強いって」
そんな風にチームメイトと話して、体が縮こまって、初回の入りに失敗し先制を許す、なんてことがあったこともある。実はそこまで大差がないレベルだったのに。
もっと身近で言えば、「睡眠」だろう。
夜眠れなくなると焦ってくる。「寝れない、寝れない、寝れない、、、」、そんな風に考えていると余計に眠れなくなっていく。
それくらいに思い込みがメンタルに与える影響力ってすさまじくて、メンタルが自分の行動に与える影響力ってすさまじい。
上記で紹介した例は思い込みによって悪い影響を受けているパターン。
いわば「思い込みに搾取されているケース」だ。そして思い込みに搾取されているときは自分が思い込みをしているということに気づいていない。だから「搾取されている」のだ。
でも「人間は思い込む生き物」ということが分かっているなら、その前提に立つことが出来るなら、搾取される前に搾取しようよ、という話である。
さっきのケースで考えるのなら、いくら相手が強そうに見えたとしても「自分たちなら出来る」「自分たちなら勝てる」と思い込むのだ。
でもただ思い込めばいいわけではないと思っていて。
何の練習もせず、楽ばっかりしてきた中でそれでも「勝てるよ」というのは”ただの勘違い”だと思う。個人的には”ただの勘違い”には気をつけたい。なぜなら上手くいったとしても、上手くいかなかったとしてもなんでその結果に至ったのかがわからないから。
だから個人的にはその思い込みに見合うためのステップを踏むことも必要だと考える。自信を持って練習したと言える、勝つための策を考えている、そういった準備と対策がしっかり出来ているのであれば外的要因に左右される必要はない。どんどん思い込めばいい。たとえそれが果てしなく高い壁だとしても。そういった”ちょっと素敵な勘違い”ならいい。
ちょっと違ったベクトルで、思い込みが持つ効果を表現している言葉がある。それが、
「演じ続ければやがてそれは本質になる」
だ。
なりたい自分、ありたい自分になりきる。
意識してなりきる。意識して意識して意識して。それを繰り返していくたびにやがてそれが無意識で出来るようになる。習慣になる。その人にとっての「本質」になる。
これも継続した「思い込み」の賜物だと思っている。
”思い込みに搾取される前に、思い込みを利用せよ。”
これからの人生で、結構大事になってくる言葉な気がする。