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やめるのは簡単だけど、届くものも届かない。

卒業論文で地域子育て支援拠点について学び、実際に施設の方にインタビューさせていただくとどの施設でも口をそろえて言っていたことがあった。

「本当に支援が必要な人は、こういう施設に来ていない人(来れない人)なんだよね」


施設に足を運んでくれる人には、スタッフとしてもアプローチが出来るけど、足を運んでない人にはプライバシーの部分もあるから踏み込めない。

そこに問題があることがわかっていても、何かきっかけがないとスタッフとして踏み込めないもどかしさの話を聞いた。

こういった「届いてほしい人にほど届かない」ような問題、どうすれば解決できるのかとふと考えたりする。

ここで一番やってはいけないことは、”届かないから”といって諦めてアプローチをやめること。アプローチを続ける限り、届く、伝わる可能性は少しかもしれないがある。だがやめたらもうそこからは何も生まれない。継続するしかない。

ここでは子育て支援を例に挙げているが、少し趣旨はズレるかもしれないが、これは団体での活動にも当てはまると思っている。

自分がリーダーだったり、積極的に活動に取り組んでいる立場だったりする。だけど団体での活動だから、自分だけよくても結果は良くならない。
どうにかしてチームを巻き込まなきゃいけない。

だけど何回も何回も促しても届かない、響かない。
じゃあどうするか。

私がこういう時、いつも大事だと思い心に留めているのは、

”(伝えることを)やめるのは簡単だけど、やめた瞬間、そこからはもう何も生まれない。だからこそ伝わることを信じて続ける”

いきなり全員に届かなくてもいい。

まずは1人、目の前の1人の気持ちを動かす。

それがやがて2人になり、4人になり10人、100人と多くの人に届くようになる。

”全員に届けよう”と考えると気の遠くなる作業のように感じ、上手くいかないと「やっぱり無理だ」という気持ちになる。

だけどまず1人と考えると、なんだか不可能な話ではないような気がしてくる。自然とポジティブな気持ちになれる。

こんな言葉がある。

「すべての人に届く言葉はない」

これの捉え方は人それぞれでいいと思う。

「すぐに全員に届かないからって、くじける必要はないよ。」
「この課題は全員が直面してるものだから大丈夫だよ」

ともとれるし、
「だからもし君がすべてのひとに届けることが出来たらすごいよ!」
と、捉えることもできる。

くじけそうになった時に立ち返る。

”どうして私は○○を伝えたくて必死になっているのか”

恐らくそれが素晴らしいもので、多くの人に知ってほしい、使ってほしい、届いてほしい、それが高い確率でその人のためになるということがわかっているから。

そうすれば諦めるという選択肢は自然となくなる。

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塩浦良太
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