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「不自由さ」を見極める

新卒で「就労支援」という現場に立ってから4か月が経とうとしている。

そもそも”障害福祉”という分野には馴染みがなく、無資格未経験で臨んでいるその舞台は毎日が刺激刺激の連続である。


周りの先輩社員の支援を参考にしながら、でもじゃあそれを同じように自分が出来るか?と聞かれるとまだまだそんなことはなくて。

本当に試行錯誤しながらの日々である。

きっと支援に決まりきった「正解」なんてものはなくて、利用者さんが10人いれば10通りのアプローチをしていかないといけない。

誰かの正解が別の誰かにとっても正解であるとは限らない。むしろ正解である可能性の方が低い。


これを難しいととるか、面白い/興味深いととるか。

今の自分は、興味深いととれている。

だって一人として同じ人がいないのは当たり前で、むしろいろんな人の正解を知ることで、いろんな人の人生を知れるし、自分にとっての選択肢という「武器」も増えると思っている。


マインド面ではそういった心持でいられるけど、いざ実際の支援スキルとなるとまだまだだ。足りない。足りなさすぎる。

提供できる選択肢も、説明する言語化力も。

どう説明すれば伝わるのか、どう説明すれば理解できるのか。


例えば、草取りをするとき。

草を刈ってほしいのに、ついつい近くにあるハーブまでを刈ってしまう利用者さんがいるとする。

何度も何度も「これはハーブだから刈っちゃだめですよ。草はこっち。」と説明したとしても、なかなか理解してもらえないことってある。


こういうときって、ついつい「どうして出来ないんだろう」と「出来ない」ということに焦点を当ててしまいがちになる。

そして何度も何度も繰り返した挙句、「しょうがないか」で折り合いをつけてしまう。それじゃ何も変わらないとわかってはいても。

きっとそれは折り合いをつけた方が楽だから。


だけどある作業療法士の方はこう言っていた。

「相手の不自由さを見極めるのが大事」

”なんで理解してもらえないんだろう”で止まらずに、それが手順の問題なのか、聴覚的な問題なのか、視覚的な問題なのか。

それをどうすれば改善できるのか、不自由に感じなくなるかを一緒に考えていく、と。

「出来ない」部分を見るのではなく、「どうすれば出来るようになるか」を見る、といったところだろうか。


そういった部分に着目して、声掛けや答えを一緒になって探していくのが求められる「支援」なのかもしれない。



「折り合い」
をつけるのは簡単だ。

でもそこで折り合いをつけたことで得する人は誰もいない。所詮その場しのぎ

それがズルズルズルズルと言って、取り返しのつかない状態に、本当に変わりたいと思ってももう変われない状態になっているかもしれない。


折り合いをつける前に一度立ち止まりたい。

「自分ができる最大限ことはやったのか」

それが福祉の支援の場で考えるなら、

「相手の不自由さを見極める」

ということが一つなのかもしれない。


こういった新たな視点は自分ひとりで考えているだけではなかなか出てこないものだ。

もっともっと内輪的にも、対外的にも意見交換・情報共有をしながら「理想の支援」をブラッシュアップしていきたい。

そこが無資格未経験で、何にも染まっていないからこその強みだと思っている。

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塩浦良太
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