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「勇気と優しさを持ち続けて」
私はよく、「自分の言葉は誰かの言葉でできている」と言っている。
自ら生み出されたものって案外なくて、というかほとんどなくて。
誰かが発していた、誰かが書いていた言葉で「あ、これいいな」と思ったものをメモし、かみ砕き、まるで自分のものかのようにする。
まさに出会った言葉の”いいとこ取り”で構成されている。
その「取る」対象に年上、年下なんか関係ない。
年上の方でもちろん素敵な言葉をたくさん使っているなぁと学びになる方もいれば、全然そうでない方も中に入る。中には自分よりも年下だけど素敵な言葉を使っている人もいる。
もちろん生きている年数によって受け取る言葉の数に違いはあるけど、その人が使う言葉の「質」に年齢差なんて関係ない。
前置きが少し長くなってしまった。
私は現在、障害福祉という領域で就労支援員をしながら新卒採用の担当にも関わっている、ということはこれまで何回か記事にしてきた。
学生と面談をする前には必ずその方のプロフィールを読む。プロフィールを読むのは結構好きな時間だ。
もちろんその人がどんな人かを知る手段がプロフィールなのだが、何よりそこで使われている言葉選びにとても興味がある。そして言葉選びでなんとなくその人の人柄が見えてくる。
そんな中、私はある学生のプロフィールに目がとまった。
まずその方の座右の銘が、
”Have courage be kind."
(勇気と優しさを持ち続けて)
調べてみると「シンデレラ」の言葉らしい。聞いたのは初めてだった。
率直にいい言葉だなと思ったけど、私の印象に残ったのはこの言葉に対してのその方の解釈だった。
人に対して優しく、親切でいることは何より大切だと考えている。けれども時には、自分の意見を貫く勇気を持つこと、相手のために厳しいことをいうことも大事。
「わ、まさにだな、、」思わずそう言葉が漏れた。
何のための勇気か、何のための優しさか。
この方はしっかりそこまで想像できて言語化できているんだな、と。
きっと素敵な方なんだろうな、と思ってワクワクして面談した結果、案の定最高に素敵な方だった。
そして私の大切な言葉の中にまた1つ新しいものが加わった。
ベースはもちろん優しく、親切であること。
だけど時にその「優しさ」が相手を傷つけることがある。相手を不安にさせることがある。そしてその「優しさ」が自分を傷つけることもある。
そうなるくらいだったら、自分の意見を貫くことも大切だと。
相手に愛ある厳しさをぶつけることも大切だと。
こうやって私の使える言葉は増えていく。
言葉ってないよりあったほうがいいし、使えないより使えたほうがいい。
場面場面によって当てはまる言葉も違う。
だから手札はいっぱいあったほうがいい。
私はこれからも、出会う人出会う人から”言葉のいいとこ取り”をしていきたい。
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