読んだ小説を褒めながら紹介するnote ~『お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について』篇~
書影と、軽い紹介から。
\どーん/
まぁ、めんこい。
ハーフ? クォーター?
何でもいいや、パツキン美少女かわいい。
ということで、本作のイラスト担当は clear 先生。
著者は桜木 桜先生。
スニーカー文庫では初登場。
さらに言えば、現代日本が舞台の作品を書くのが初めて、とのこと。
ところで公式サイトのアドレスが「murinandai」であるところから察するに、略称は『#無理難題』で良いのでしょうか。
まぁ、たしかにこれを冠するラブコメが他に有ったかといえば、ちょっとわからないですが。
『お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について』とは
いわゆる、ハイソ系おぼっちゃま達がメインの登場人物です。
主人公は、祖父からやたらとお見合い話を提案され鬱陶しく思っている高校生・高瀬川由弦《ゆづる》。
高校生と言ってもまだ1年生。せめて3年生になってからか、あるいは大学にでも行ってからにしてくれよ、と思わなくはないですが(笑)。
しかもその理由が『曾孫がみたい』。
いや、もう、ね。由弦の心中を察するにはあまりにも容易い。
そんなことを友人に愚痴ると、なかなかに良いアイディアを寄越します。
――『無理難題な条件を押しつけてみればいい』。
なるほど、と思っていたところで、丁度その祖父からの電話。
ふたりは一計を案じるわけです。
以下引用。
「金髪碧眼色白美少女が相手なら、お見合いを考える。ああ、もちろん、俺と同世代で日本国籍の子だ。年齢や言語の壁があると面倒だし。それから……」
~中略~
「巨乳でお尻が大きい……あー、つまりスタイルが良い子。優しく、おしとやか、大和撫子。それから……料理上手で、頭がよくて、運動もできる子だ。……こんなの、いるわけないだろ」
(『お見合いしたくなかったので無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について』 p.6より)
盛ったねえ。随分盛ったねえ。
最初の部分は友人がノリで作った設定、中略以降は友人が電話の最中に即席で作ったカンペ丸読み――だと一部語弊がありそうな気がした由弦が少し改変したとはいえ、最後の最後に思わず本音とも言えそうな台詞がこぼれ落ちてますね。
もちろん、いくら祖父の人脈があっても、こんな人材見つけてくるなんて無理だろうという前提で言ってるので仕方が無いのですが。
ただ、金髪碧眼――とは少し違うモノの、ほぼその条件を満たしている少女が同級生にいるなぁ、と言う話は電話を切ったあとで持ち上がるわけですが。
何はともあれ、です。
スタッフ(というか祖父)、一生懸命探しました。
まだ見ぬ曾孫のため、草の根分けて探しました。
――見つかりました(!)。
それが同級生の雪城愛理沙。
祖父からの電話を切った後、一瞬だけ俎上の人となった少女でした。
由弦と愛理沙に特別な面識はなく、由弦が彼女に持っていた印象も然したるものではありません。
ただ、由弦の中で印象に残っているのは彼女の瞳。
――清らかすぎて魚が1匹も住んでいない湖のような瞳。
彼はそうやって表現しました。
色がない、感情がない、そんな目。
祖父の人脈にひっかかったことも驚きだが、そんな彼女が同級生の見合い話に来るとも思っていなかった由弦は驚く。
ただ、話を聞けば、愛理沙の側もこの縁談を無理矢理受けさせられたという。
――しかも、養父によって。
何だかのっぴきならないような感触を覚えつつ由弦は、その後ちょっといろいろ有って(料亭の木の上で怖がっていた猫を助けてあげてほしいと言われた由弦が、猫の救援には成功したものの自身は木から落下してケガをして)、罪悪感に苛まれていた(それだけでなく、恐らくは養父母から頬を張られていた)愛理沙に、愛理沙が出していたとある提案に乗ることを宣言。
それは『嘘偽りの婚約をする』ということ。
由弦としては、今後余計な見合い話を持ってこられずに済むだろう、と愛理沙は言う。愛理沙としても、同じようにお見合いが回避できるので、一応の利害は一致していたわけです。
ただ、さすがに高1にして婚約とかいう、なかなか非現実的な話は刺激が強かろうと周囲には関係を隠して日常を過ごしていこうと言うところにお話は落ち着いて――――――。
――――――くれないんですねえ。
祖父は本当に仲睦まじくふたりが過ごしているのか、と事あるごとにレポートを要求してきます。
たとえば、仲の良さそうな写真を見せろ、とか。
デートには行かないのか。株主優待のチケットがあるから行ってこいとか。
その都度、さながら『これは任務であり責務』みたいな感じでデートに繰り出すふたりなんですが。
だんだんと本当に彼氏・彼女っぽくなってきて。
その内、愛理沙が付けていた『仮面』が由弦の前では少しずつ剥がされてきて――――。
ということで、そんなピュアラブストーリーが本作です。
推しポイント。
金髪碧眼色白美少女の『仮面』の下、ですよねえ。
――まぁ、この手のスタンスの話では、誰にも見せていない部分を見せてくれたというところが萌えポイントの王道的なところなので、そこはやっぱり外せないところ。
もちろん、愛理沙がその『仮面』を付けざるを得なかったバックボーンも見逃せないポイント。
――導入文あたりでの「養父」とか「赤く腫れた頬」の時点で、後ろ暗いことが確定しているわけですけれども。
それでも、ただヒーローの登場を待つだけの女の子ではないので、感情移入もしやすいかな、と。
健気系ヒロインが好きな方には間違いなく刺さることでしょう。
存分にもだもだするところもたまりませんね。
何と言っても、ふたりが名前で呼び合うまで発展するのでさえ何文字・何ページかかってんだ! 的な(ネタバレを避けるために具体的な記載はしませんが、3桁ページは余裕でかかってます)。
あ、大丈夫です、苗字呼びでもしっかりとイチャラブシーンはあるので、そういうところを所望する方もきっとご満足いただけると思います。
続刊について。
2巻まで刊行済みです。
リリースされたばかりです。
無理難題の先にあった、純愛。
みなさんもぜひ。
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