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『城の崎にて』

『城の崎にて』
志賀直哉著

一言でいうと、死にそうになった経験を通して、生きることと死ぬことの意味を探求してみたという話。

著者の電車事故での実体験をもとに書かれた小説。

主人公は、自分が死ななかったことに対して喜びや感謝を感じることができない。そして、城崎温泉で療養中、自分が生きるということと死ぬということについて考える。

蜂や鼠、いもりの死に遭遇する。蜂の死は、静かで寂しいが親しみを感じ、鼠の死には、必死で生きようとする姿に生へのこだわりを無意識に持っている自分のいさぎ悪さを感じる。いもりの死は、偶然に死んでしまったことへの哀れみを感じる。

死は、罰ではなくて、あくまでも、自然の流れであって、騒ぎ立ててどうなるものではなく、過ぎ去っていくものなのだ。それなのに、生きていると、迫り来る死に怯え、必死な、生への執着が見えて、そこに儚さを感じてしまう。

私の感覚とは、少し違うのだけど、

日々、喜び、祈り、感謝して、与えられている時間にやるべきことに取り組む。いろいろな欲望とか、夢みたいなものもあるのだけど、叶うものは叶うし、叶わないものは叶わない。

芦田愛菜ちゃんの言葉を思い出した。

「人生で迷った時にどのような答えを出しますか?」という質問に対して、「行動を起こした後、結果は決まっているので、あとはなるようになるしかないと。自分に人生の最終決定権があると思うと、後悔することもあると思うので、結果が決まっていて、自分はそこに行くための方向を選んだっていうことだと思います。」



まあ、いざ、病気になったりすると、そうも言っていられなくもなるのだけどね。

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