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【読書ノート】『村田エフエンデイ滞土録』

『村田エフエンデイ滞土録』
梨木香歩著


1899年のトルコ・イスタンブールに村田は留学した。滞在先は、イギリス人ディクソン夫人が営む下宿で、使用人・ムハンマド、ドイツ人考古学者・オットー、ギリシャ人・デイミトリス、そして、鸚鵡たちと出会いそして別れの物語。

人種の違い、宗教の違い、そして、歴史の流れの中で、不思議で、暖かい物語が、展開していく。

トルコとはどんな国なのか?
1. トルコでは、ゲストを大切にする文化が根付いている。トルコ人は一般的に、家族や友人を自宅に招いて食事やお茶を共にすることに喜びを感じる。また、観光客や外国人に対しても温かく迎え入れる姿勢がある。

2. 家族はトルコ社会において非常に重要な存在。家族の絆や家族の意見や助けを大切にする傾向がある。多くの場合、家族は互いに支え合い、共に時間を過ごすことを重視する。

3. トルコ人は社交的でコミュニケーションを大切にする。人々は公共の場や家族の集まりで会話し、笑顔や身振り手振りを交えながらコミュニケーションを図る。

4. トルコは美味しい料理で知られており、食事はトルコ文化の重要な部分。トルコ料理は多様で、肉や野菜、ハーブ、スパイスを使った料理が特徴。

5. トルコはイスラム教が主要な宗教であり、多くのトルコ人はイスラム教徒である。宗教はトルコ社会において重要な役割を果たしており、信仰心を持つ人々が多い。
ただし、トルコは多様性を尊重する国であり、異なる文化や宗教を持つ人々が共存している。

エフェンディとは?
トルコ文化や社会における敬意や尊敬の表現。トルコ語で「エフェンディ」とは、一般的に「尊敬される人」「先生」「紳士」といった意味で使われる。

また、エフエンデイはトルコ文化における社会的な階層や礼儀作法に関連している。トルコ社会では、年長者や尊敬される人に対して敬意を示すことが重要視されており、言葉や態度によって敬意を表現する習慣がある。

物語の主題は何か?
国の違い、民族の違い、宗教の違いがあっても、個人個人のレベルでは分かりあうことができるということなのだと理解した。

また、個人個人でわは、わかり合えるもの同士でも、国家レベルでは、戦争が起こったりしてしまうという悲劇を繰り返してしまう。

トルコという西洋文化と東洋文化が、ちょうど混ざり合う土地は、不思議なところなのだと思った。

911のテロが一つのきっかけとなって、ユダヤ・キリスト教文明とイスラム文明の対立が表面化しているなか、トルコというイスラム文化圏にありながら、西洋文化に理解があり、親日の国という世界は、日本にとっても世界にとっても重要な役割があるのだろうなあと改めて思わされた。

いま、ウクライナ、パレスチナで、戦争が行われている。

民族紛争や宗教紛争がベースにあるのだろうけど、国を挙げて戦争する国というのは何なのか考えさせられる。

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