【読書記録】『式日』(『スモールワールズ』より)
『式日』(『スモールワールズ』より)
一穂ミチ著
先輩である語り手が語る、後輩の父親の葬儀に出た時の物語。
語り手である先輩も、後輩も、暖かい家庭・家族というものを知らずに生きてきた。後輩の父親はアルコール依存でDV。何度も死んでしまえと祈った相手だった。そんな父親が、自殺したのだった。
キーワード
①向田邦子
1. **日常の中の非日常**: 向田の作品は、普段の生活の中に潜む特異な瞬間や感情を捉える。
2. **人間関係の複雑さ**人間の存在が他者との関係においてどのように意味づけられるか
3. **時の流れと変化**人生の一瞬一瞬がどのように積み重なり、意味を持つかを考えさせる。
5. **存在の儚さ**:人生の儚さや無常を示す。
②「平安の祈り」(ニーバーの祈り)
「神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。」
1. **内面的な平和の追求**: 平安の祈りは、心の中の不安や葛藤を和らげ、静けさを求める。
2. **他者との調和**: 平和を求める祈りは、他者との関係性の調和を象徴する。
3. **人生の無常**: 平安の祈りは、人生の不確実性や無常を受け入れる姿勢を象徴する。
4. **希望と再生**: 祈りは、希望や再生の象徴でもある。困難な状況においても、未来への希望を抱く。
5. **道徳的な責任**: 平安の祈りは、個人の道徳的な責任や倫理的な行動を促す。平和を求めることは、他者に対する思いやりや倫理的な行動を促進する。
物語の主題は何か？
生きていると努力では、どうにもならないことが起こるわけで、そんな時どうしたらよいのか？
祈るしかないと思うのだけどね。
ネオンテトラの光りは、自ら発光しているのではなく、周りから照らされて光り輝くように、ひとは、一人ではひかりを放つことができないということなのだと理解した。
アル中≒ニーバーの祈りというのは、なんだか違うような気がしたのだけどね。