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『本を守ろうとする猫の話』
『本を守ろうとする猫の話』
夏川草介著
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幼い時に両親を亡くし、古本屋を営む祖父と二人暮らしをしている夏木林太郎。
ある日、その祖父が亡くなった。
そこへ、言葉を話す猫が現れて、本を解放する冒険が始まる。
読書オタク向けのファンタシーアドベンチャーというスタンスで物語は展開する。
いわゆる古典に分類されるような世界文学をじっくり読むことの重要性が説かれていて、なかなか頭の痛い所だ。
いま流行りのベストセラーについ手がいってしまうのだけど、名作と言われる作品をじっくり読んでみることも大事なことだろうなあと改めて思わされた。
電子書籍で読むことが増えてきたし、文庫化されるスピードも早くなったので、単行本を書店で買うことはだいぶ減ってきた。書店には行くのだけど、陳列棚を見て、いまの時代の感触を掴むというか、どんなものが出回っているのか確認しに行くような感じになっていてる。昔は、神田の古本屋街を散策して、あの本を見つけた!みたいな発見があったのだけどね。
Kindleに慣れると、本は文字の羅列なのだろうなあと思ったりもするのだけど、実物の重みみたいなものはあるかもしれないなあと改めて思わされた。
本書について、言えば、登場人物が、
「猫」だったり「林太郎」だったり、
色々な遊びと言うか、仕掛けがあってなかなか面白い。