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【読書ノート】『祈りの幕が降りる時』

『祈りの幕が降りる時』
東野圭吾著


日本橋で再会を果たすために滋賀から上京した女性は、男性の住む部屋で殺害された。そして、ほぼ同時期に近くの公園では、ホームレスの男性が、焼死体でみつかった。捜査が進むにつれて、二つの事件の関連性が次第に浮かび上がってくる。

加賀恭一郎と浅井博美のそれぞれの親子関係の対比がなかなか心を打つ。

浅井博美の父親・浅井忠雄の生き方が、問題なのだなあと思った。
お人よしの良い人なのだけど、娘の生活を守りたい一心で、重ねて殺人を犯してしまう。

物語の主題は何か?
正しさとは何か?ということなのだと理解した。

浅井親子の不幸な状況を見ると、殺人を犯さざるを得なかったという行動も、頷けそうなところではあったのだけれど、そんなに手軽に殺人することができるものなのかどうか、何となく疑問に思ったりはした。

親の愛情ということなのだろうけどね。

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