【読書ノート】『変身』
『変身』
カフカ著
ある日グレゴールは、巨大な虫になったところから物語は始まる。
日常の中で起こる不可思議な現象。グレゴリーの家は、父親が事業に失敗してどうにもならない状況だったところ、グレゴールは、仕事で頑張って一家を支える大黒柱になっていた。そんなさなかに、家族からきみ悪がられる虫になってしまった。
物語をどう理解するか?
ある批評家は、この物語のグレゴールは、ユダヤ民族の象徴だとしている。有能なユダヤ人が長い歴史の中で迫害されてきたことを物語っているのだという。
別の批評家は、グレゴールは、天才を象徴しているのだという。
ユダヤ人は、一般的に優秀な人が多いから、ある意味天才が多いのかもしれない。
IQが、20違うとコミュニケーションに支障が出るらしい。
100くらいが標準なのだとすると、普通の範囲は80から120くらいなのだと考える。
120を超えてくるとメンサへの入会が許されるレベルになると、社会生活に支障が出てくるのかもしれない。昔、『天才を殺す凡人』というベストセラーがあったけど、天才は、凡人に殺されてしまうものなのだろう。
快適に社会生活を営む上で、普通であることは重要な要素なのかもしれない。でも、普通じゃない人間たちによって、人類は進歩してきたのだと思うと、天才たちを守らなければいけないのかもしれない。
ダイバーシティというと、劣っているマイノリティを受け入れる的な話と思われるけど、上ぶれする天才児たちを守ってあげる必要もあるのだと改めて思った。