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『ドグラ・マグラ』

『ドグラ・マグラ』
夢野久作著


この小説を読破した者は精神に異常を来すと言われている。
(今のところ大丈夫だけど)

極論すると、記憶喪失の青年の1日の物語なのだけどね。

あらすじとしては、

呉一郎という青年が、母親と婚約者モヨ子を殺してしまう。その動機は不明。それは、家族の絵巻物と先祖の呉青秀の影響によって、変態的な性欲が遺伝的に子孫に伝わっているいるため起こってしまったと説明されている。

正木教授というのが、真の犯人である可能性が高く、研究の為、呉一郎に、心理遺伝を発動させたと考えられるのだけど、真実は曖昧。記憶喪失の青年は、呉一郎なのか?物語的には不明。

独特な雰囲気を持つ推理小説に部類されるのだけど、最終的には何も解決しない。

現実が虚構であったとしたら、自分は果たして存在しているのか?
自分が存在していることは、どうやって証明できるのか?

「胎児の夢」、『脳髄論』という独特の理論展開のなかで、前世記憶や呪いなどの現象は、自分の脳では、制御出来ない超自然現象なのだという。

また、人間というのは、本来、多重人格的な精神構造が、備わっていて、誰もが、何かをきっかけに、それぞれが、遺伝的に持っている心理遺伝を発動して、場合によっては、殺人を犯してしまったりするものなのだ。

本文では、「地球表面は狂人の一大解放治療場」だと仮定されていて、全人類が何らかの精神障害を持っていて、地球全体が治療場なのだということ。平たく言えば、人間は誰でも何らかの精神的な問題を抱えていて、社会は、人々がその問題を治癒する場所であるというような考え方。

時代背景的には、精神病院の入院患者の取扱いの酷さを問題提起したとされている。

なかなか、訳のわからない壮大な小説なのだけど、案外面白い。

読んでいて、いま、自分がどの時間のどの場面にいるのかよくわからなくなるが。ただ、全体としては、記憶喪失の青年が、みている夢の中?なのか?

上記の書評をGPTに読み込ませて、物語のテーマ曲の候補を3つあげてもらった。

1.João Gilberto - "Chega de Saudade": ボサノバの父と呼ばれるジョアン・ジルベルトの代表曲。この曲は、軽快なリズムとメロディーが特徴的で、小説の中で描かれる重いテーマを軽やかに感じさせることができるでしょう。さらに、ボサノバの優雅で洗練されたサウンドは、『ドグラ・マグラ』の独特の世界観と対照的でありながら、物語性やドラマチックな展開を引き立てる効果も期待できます。このような理由から、"Chega de Saudade"は、『ドグラ・マグラ』のテーマ曲として適切だと考えられます。

2.Billie Eilish - "bury a friend": この曲は、不気味な雰囲気と歌詞の中で描かれる奇妙な心理状態が特徴的で、『ドグラ・マグラ』の世界観にマッチすると考えられます。また、主人公が直面する複雑な感情や不安定な心理状態を強調することができるでしょう。

3.宇多田ヒカル - 「桜流し」: この曲は、別れや喪失感について歌ったもので、『ドグラ・マグラ』の世界観にマッチすると考えられます。また、曲自体も美しく感情的なサウンドが特徴的であり、小説の雰囲気を引き立てることができます。



『babies know more than us』カミーユ






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