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『屋根の上のサワン』

『屋根の上のサワン』
井伏鱒二著

山椒魚と同様に、今回は、
一羽の雁を飛べないようにして自分の狭い世界に閉じ込めてしまう。そして、名前をサワンと付ける。

傷の手当てもしてもらっていたこともあって、サワンもはじめは、なつくのだけど、空を飛ぶ雁の群れを見て、悲しんだ。

最終的には、サワンは、羽ばたいていなくなってしまう。
残されたものは、悲しむ。

感覚的には、失恋に近いものなのではないか?と思った。

ちなみに、サワンという言葉はインドの言葉で「月」を表す言葉らしい。

山椒魚は、蛙と最後まで共に生きて、蛙も、憎しみは無くなっていたのに対して、サワンは、繋ぎ止めたくてもできなかった。この違いは、面白いと思った。

一生懸命、サワンが、逃げ出さないように、餌を大量にあげたり、縛り付けたり、悪あがきする姿は、まるで失恋前の悪あがきに似ている。

そう思うと、恋愛の終わりは、覚悟を決めて、さっぱり、終わらせるのが、良いのだろうなあと思う。現実は、フラれる側は、辛いだろうけどね。縁がなかったことに、早く気づくことが大事なのだと思う。

まあ、恋愛と結婚は、別なのだということかなあ?

『えりあし』aiko

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