【読書ノート】『元迷子係りの黒目』
『元迷子係りの黒目』(『約束された移動』より)
小川洋子著
”ママの大叔父さんのお嫁さんの弟が養子に行った先の末の妹”と呼ばれていた人が裏に住んでいた。
この呼び名を言い間違えると小さなペナルティを科せられる。
主人公(私)は、彼女のことを密かに、"末の妹"となづけていた。
彼女(末の妹)は、斜視であった。
結婚し、流産した後、離婚して、デパートで働く。
①斜視
目の位置や視点が通常の状態から逸脱している状態を指す。この異質性は、個体の個性や独自性を象徴し、他者との異なる視点や経験を持つことを意味する。
また、斜視は、社会の中での多様性や包括性の重要性を強調し、単一の視点にとらわれずに異なる視座を尊重する必要性を示す。
②迷子係
1.他者へのサポートや共感を通じて、より包括的で優しい社会を築くことを意味する。
2.個々の目的や人生の目標を追求するだけでなく、他者の成長や発展に貢献することを重視する姿勢を示す。
3.社会の結束と共同体の発展を促進するために、個々の役割と責任を果たすことを示す。
物語の主題は何か?
斜視の"末の妹"という人間として、不完全な人物の人生は、不確かで、常に混沌といているものなのだけど、自分に与えられた能力をいかして、自分の役割を果たすことこそが、生きることの意味なのだと理解した。