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【読書ノート】『輝く滑走路』

『輝く滑走路』(『ギフト』より)
原田マハ著


主人公の「私」は、中学の同窓会があるので、故郷に戻ってきた。恋に敗れ、失業していたというのが、戻ってくる本当の理由なのだけど。

キーワードを挙げてみる。

①畦道
自然との調和や均衡を表現している。直線的な形状を持ち、周囲の風景と調和しながら、地形の変化に対応する。この均衡感は、人間の内面の調和やバランスを象徴している。それゆえ、畦道を歩くことは、心の平穏や安定を求めることに繋がる。また、畦道は時間の流れや変化を表現している。季節ごとに田畑の様子が変わるように、畦道も風景とともに変化する。この変化は、人生の移り変わりや成長のプロセスを表す。畦道を歩くことは、人生の旅において自己の成長や変化を追求することを意味する。

②トマト
植物性の果実であり、生命のサイクルを象徴する。種から芽生え、成長し、実を結び、種を備えるという過程は、生命の連続性と循環を表す。トマトは、生命の不可逆的な流れの一部であることを思い起こさせ、自然界の摂理について考えるきっかけとなる。

トマトは未熟な状態から成熟した状態へと変化し、色とりどりの実をつける。このプロセスは、変化と成長を象徴する。トマトの成長過程は、自然界のサイクルや季節の変化を思い起こさせ、人生の移り変わりや喜びと悲しみの繰り返しを考えさせられる。

③滑走路
飛行機が加速し、空へと舞い上がる場所。この意味では、滑走路は進歩と成長の象徴となる。自己の可能性を最大限に引き出し、新たな高みに到達するための出発点となる場所と言える。

物語の主題は何か?
人生の岐路や低迷に直面した時に、故郷に帰り、過去の経験を振り返ることの重要性なのだと理解した。

自分の過去の経験や故郷との絆を大切にし、自己の成長と進歩の道を模索することの重要性を教えられる。

私自身、振り返ってみると、休みの全く取れない工事現場の監督をして、精神的にも肉体的にもボロボロになって、、失恋もして、会社も辞めてしまおうと思っていた時期があったなあと思い出す。
そういう時期って、人生の変わり目で、大きく飛躍する直前期だったりする。

人生、危機的な状況というのは、その後も、周期的には訪れるのだけど、少しずつ気持ちが強くなっていくものなのだなあ。

爽やから物語でした。

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