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コールセンター運営で押さえておくべき【KPI一覧】

コールセンター運営において、効果的なパフォーマンスを維持するためには、重要な指標(KPI)を把握することが不可欠です。これらのKPIは、業務の効率性や顧客満足度を測るための基盤となり、運営改善の鍵を握っています。ここでは、コールセンター運営で押さえておくべきKPIの一覧を紹介します。


KPIとは?


KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標のことで、組織やプロジェクトのパフォーマンスを測定するための具体的な指標です。KPIは、目標達成の進捗状況を把握し、戦略的な意思決定を行うための重要なツールです。KPIを設定し、定期的に評価することで、業務の改善や戦略の見直しが可能になります。

KPIの特徴

具体性: 明確で測定可能な指標であること。
関連性: 組織の目標や戦略に直接関連していること。
達成可能性: 実現可能な目標であること。
時間軸: 特定の期間内に達成すべきものであること。

コールセンターにおけるKPI


コールセンターで用いられるKPIは、下記4つのカテゴリーに分類されます。
各カテゴリーの詳細は次項でご紹介します。

  1. 応対品質に関するKPI
    電話の繋がりやすさや迅速に解決できたかなどの応対品質を測ります。

  2. 生産性に関するKPI
    1件あたりの処理時間やコストなど、対応効率を測を測ります。

  3. 顧客満足度に関するKPI
    顧客の満足度を測り、提供サービスの品質を確認します。

  4. マネジメントに関するKPI
    コールセンターの労働環境や健全性を測ります。

応対品質に関するKPI


ここでは、応対品質に関するKPIと計算方法を5つご紹介していきます。

応答率


顧客からの問い合わせ(着信)に対して、オペレーターが対応した件数の割合。

計算式:(対応件数÷着信件数)×100

例:受信した通話数が200回、応答した通話数が180回の場合、
(180÷200)×100=90%
この場合、応答率は90%となります。

放棄率(アバンダンコール)


顧客がオペレータに接続する前の待機中に通話を切ったり、システム側で切断した件数の割合。

計算式:(放棄した通話数÷着信件数)×100

例:受信した通話数が300回、放棄した通話数が30回の場合、
(30÷300)×100=10%
この場合、放棄率は10%となります。

サービスレベル


あらかじめ設定した時間内に応答した通話件数の割合(例:30秒以内に応答した通話の割合)。

計算式:(設定時間内の対応件数÷着信件数)×100

例:受信した通話数が200回、そのうち30秒以内(設定時間内)に応答した通話数が160回の場合、
(160÷200)×100=80%
この場合、サービスレベルは80%となります。

平均応答速度(ASA)


顧客からの着信から、オペレーターが応答を開始するまでにかかる時間の平均。

計算式:応答までの時間の合計÷総着信件数

例:着信件数が500件、応答までの時間の合計が10,000秒の場合、10,000÷500=20秒
この場合、平均応答速度は20秒となります。

一次解決率(FCR)


顧客からの問い合わせに対し、初回の通話で解決できた割合。

計算式: (初回で解決できた件数 ÷着信総数) × 100

例:200件の問い合わせがあり、
そのうち150件が初回の通話で解決できた場合、
(150÷200)×100=75%
この場合、一次解決率は75%となります。

生産性に関するKPI


ここでは、生産性に関するKPIと計算方法を6つご紹介していきます。

稼働率


オペレーターの勤務時間のうち、実際に顧客対応を行っている時間の割合。

計算式:((通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間)÷労働時間)×100

例:応対時間4時間、保留時間30分、後処理時間1時間、待機時間1.5時間、労働時間8時間の場合、
((4+0.5+1+1.5)÷8)×100=87.5%
この場合、コールセンターの稼働率は87.5%となります。

平均処理時間 (AHT)


通話時間とその後の処理など、顧客対応にかけた時間の平均。

計算式:(総通話時間+総後処理時間)÷総処理件数

例:総通話時間が600分、総後処理時間が300分、総処理件数が100回の場合、
(600+300)÷100=9分
この場合、平均処理時間は9分となります。

平均通話時間(ATT)


顧客との一回の通話にかけた時間の平均。

計算式:総通話時間÷総処理件数(コール数)

例:総通話時間が500分で、通話回数が100回の場合、
500÷100=5分
この場合、平均通話時間は5分となります。

▼ATTについてさらに詳しく知りたいかたはこちら


平均後処理時間(ACW)


顧客との通話後の後処理にかかる時間の平均。

計算式:後処理時間の合計÷対応件数

例:対応件数が30件、後処理時間の合計が120分の場合、
120÷30=4分
平均後処理時間(ACW)は4分となります。

CPH(Calls Per Hour)


1時間あたりに処理できる通話の件数の平均。

計算式:総通話件数÷労働時間

例:1日の総通話件数が120件、労働時間が8時間の場合、
120÷8=15件
この場合、1時間あたりの通話件数は15件となります。

CPC(Cost Per Call)


1件の通話を処理するためにかかるコストの平均。

計算式:コールセンターの総コスト÷処理件数(対応件数)

例、処理件数が1,000件、コールセンターの総コストが1,200,000円の場合、
1,200,000÷1,000=120円
この場合、1件の通話あたりのコスト(CPC)は120円となります。


顧客満足度に関するKPI


ここでは、顧客満足度に関するKPIと計測方法を2つご紹介していきます。

顧客満足度 (CS)


顧客がサービスに対してどれだけ満足を感じているかを測る指標。
顧客へアンケート調査を実施して計測します。

顧客推奨度(NPS)


企業やブランドに対する顧客の信頼度や愛着度を示す顧客ロイヤルティを図る指標です。
顧客へアンケート調査を実施し、その結果をもとに計測します。

◆計算式:(推進者-誹謗者)÷全体数

マネジメントに関するKPI


欠勤率


オペレーターの予定勤務日数に対して、欠勤した日数の割合。

計算式:(欠勤日数÷予定勤務日数)×100

例:予定勤務日が20日、欠勤日数が2日の場合、
(2÷20)×100=10%
この場合、欠勤率は10%となります。

離職率


一定期間において離職した従業員の割合。

計算式:(離職人数÷在籍人数)×100

例:在籍人数100人、離職者数が5人の場合、
(5÷100)×100=5%
この場合、離職率はとなります。

コールセンターのKPI設定のポイント


最後に、コールセンターのKPI設定を行う際のポイントをご紹介します。

  • 課題と目的を明確にする
    まずは今抱えている課題を洗い出し、目的を明確化し必要なKPIを設定しましょう。適切にKPIを設定することで、目標に紐づく管理を行うことができます。

  • 定期的に分析して改善する
    ただ測定するだけではなく、結果を週次や月次で定期的に分析しKPIの効果が出ているかを確認します。また分析結果から必要に応じて再度KPIを設定したり、改善案を出すことで長期的な改善を行うことができます。

  • 達成できる目標を設定する
    達成不可能な数値を目標として設定すると、オペレーターの負荷が増え、生産性が下がり状態を悪化させてしまう可能性もあります。目標は現状よりも少し上の達成できる見込みがある値で設定を行うことも重要です。

  • 優先順位を考える
    今ある課題を一度にすべて解決することはできないので、改善すべきKPIの優先順位を整理し、段階的に進めていきましょう。

おわりに


最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまでコールセンターの主なKPIをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
適切なKPI設定と管理を行うことで、コールセンターの生産性や顧客満足度の向上に繋がるでしょう。

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