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【書評】ロルフ・ドベリ『Think Clearly』で思考の道具箱を手に入れる
ロッシーです。
『Think Clearly』を読みました。
この本は評判どおり素晴らしい内容でした!
こういった類の本はこれまでに色々と読んできましたが「もうこの本で充分だな」と私は思いました。
それくらい私にとっては良書でしたので、一冊買って家に置いています。
本書は様々な『思考の道具箱』を記載したものです。つまり、あくまでも道具を記載したものだということです。
そして、それらの道具は最新の心理学研究、ストア主義、バリュー投資家の思考という素材から成り立っています。品質保証はお墨付きです。
巷には、「これをやればOK」的な浅い本があふれていますが、正しい原理とか、ただひとつの法則などは、時代が変われば無効化されてしまいます。
例えば、建築の世界において「こういう建物やデザインが良い!」という原理や法則があったとします。しかし、それも時代によって変わっていくでしょう。でも、建築に使われる道具はそうそう変わりません。
だから、まずは道具をきちんと使えるようにすることが、時代の移り変わりに対処する重要な方法だと思います。
ただ、本書に記載されている思考の道具箱は全部で52章もあり、ちょっと多すぎる印象です。あまりに沢山の道具を抱え込んでも使いこなせなければ意味がありません。
とはいいつつも、まずはどんな道具があるのか?と本書を読んで全体像を知ることも大事です。
全体像を知ったうえで、「じゃあ自分はこの道具を身につけよう」と思って少しずつ使いこなせるようにしていく。そして、だんだん使える道具が増えていく。それが好ましいプロセスだと思います。
こういう本を読んでよくありがちなのは、これらを全部をいっぺんに身につけようとすることです。そんなことは現実的には無理です。
それに、普段よく使う道具は意外と限られており、せいぜい2、3種類でしょう。全ての道具を使う必要はないのです。
だから、まずは全体像を知る➡自分が特に重要と考えるものを選別する➡それらをしっかりと身に着ける➡アウトプットできるようにする、というやり方で良いと思います。
ということで、本書52章について、私は以下のような基準で選別しました。
・太字➡ 自分が特に重要だと考える10項目
・取り消し線➡ すでに身についている項目
もちろん、これは私の独断と偏見によるものですし、月日が変われば変わります。取り消し線がどんどん増えていけばいいのですけどね(笑)。
考えるより、行動しよう──「思考の飽和点」に達する前に始める
なんでも柔軟に修正しよう──完璧な条件設定が存在しないわけ
大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう──最初に「全体図」を把握する
支払いを先にしよう──わざと「心の錯覚」を起こす
簡単に頼みごとに応じるのはやめよう──小さな親切に潜む大きな罠
戦略的に「頑固」になろう──「宣誓」することの強さを知る
好ましくない現実こそ受け入れよう──失敗から学習する
必要なテクノロジー以外は持たない──それは時間の短縮か? 浪費か?幸せを台無しにするような要因を取り除こう──問題を避けて手に入れる豊かさ
謙虚さを心がけよう──あなたの成功は自ら手に入れたものではない
自分の感情に従うのはやめよう──自分の気持ちから距離を置く方法
本音を出しすぎないようにしよう──あなたにも「外交官」が必要なわけ
ものごとを全体的にとらえよう──特定の要素だけを過大評価しない
買い物は控えめにしよう──「モノ」より「経験」にお金を使ったほうがいい理由貯蓄をしよう──経済的な自立を維持する自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう──「能力の輪」をつくる
静かな生活を大事にしよう──冒険好きな人より、退屈な人のほうが成功する
天職を追い求めるのはやめよう──できることを仕事にするSNSの評価から離れよう──自分の中にある基準を見つける自分と波長の合う相手を選ぼう──自分は変えられても、他人は変えられない目標を立てよう──人生には「大きな意義」と「小さな意義」がある
思い出づくりよりも、いまを大切にしよう──人生はアルバムとは違うわけ
「現在」を楽しもう──「経験」は「記憶」よりも価値がある
本当の自分を知ろう──あなたの「自分像」が間違っている理由
死よりも、人生について考えよう──人生最後のときに思いをめぐらせても意味がない理由
楽しさとやりがいの両方を目指そう──快楽の要素と意義の要素
自分のポリシーをつらぬこう──「尊厳の輪」をつくる
自分を守ろう──「尊厳の輪」をつくる その2
そそられるオファーが来たときの判断を誤らない──「尊厳の輪」をつくる その3
不要な心配ごとを避けよう──不安のスイッチをオフにする方法
性急に意見を述べるのはやめよう──意見がないほうが人生がよくなる理由
「精神的な砦」を持とう──運命の女神の輪
嫉妬を上手にコントロールしよう──自分を他人と比較しない
解決よりも、予防をしよう──賢明さとは「予防措置」をほどこすこと
世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう──世の中の惨事を自分なりに処理する方法注意の向け方を考えよう──もっとも重要な資源との付き合い方
読書の仕方を変えてみよう──読書効果を最大限に引き出す方法
自分の頭で考えよう──イデオロギーを避けたほうがいい理由
「心の引き算」をしよう──自分の幸せに気づくための戦略
相手の立場になってみよう──「役割交換」することのメリット
自己憐憫に浸るのはやめよう──過去をほじくり返すことが無意味なわけ
世界の不公正さを受け入れよう──自分の日常生活に意識を集中する
形だけを模倣するのはやめよう──カーゴ・カルトの犠牲にならない
専門分野を持とう──「多才な人」より「スペシャリスト」を目指す
軍拡競争に気をつけよう──競争が激しいところにわざわざ飛び込まない
組織に属さない人たちと交流を持とう──組織外の友人がもたらしてくれるもの
期待を管理しよう──期待は少ないほうが幸せになれる
本当に価値のあるものを見きわめよう──あらゆるものの90パーセントは無駄である
自分を重要視しすぎないようにしよう──謙虚であることの利点
世界を変えるという幻想を捨てよう──世界に「偉人」は存在しない理由
自分の人生に集中しよう──誰かを「偉人」に仕立てあげるべきではない理由
内なる成功を目指そう──物質的な成功より内面の充実のほうが大事なわけ
以上です。
こうやってリスト化したものをたまに見返すことで、本書の内容をしっかりと自分に落とし込み、思考の道具箱を使いこなせるようにしたいです。
皆さんも、ぜひ一度『Think Clearly』を読んで自分なりの思考の道具箱を手に入れてください。おすすめです!
最後までお読みいただきありがとうございます。
Thank you for reading!