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徒然諸々 『ぽろぽろ』と『少女ダダの日記』を読んで

徒然諸々 『ぽろぽろ』と『少女ダダの日記』を読んで

 今週は田中小実昌さんの『ぽろぽろ』とヴァンダ・プシブィルスカさんの『少女ダダの日記』を読みました。『ぽろぽろ』は田中小実昌さんの戦争・従軍体験記です。私、戦争を知らない世代として後世にどう戦争を伝えるかを考えるようになりました。当然水木しげるさん描いた戦争記は読みましたし、『笑点』の司会をしている春風亭昇太さんの師匠の春風亭昇さんの戦争体験記も面白く読みました。その他にも多くの戦争体験記を、兵隊

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徒然諸々 『嫌われ松子の一生』文庫本下巻を読んで

徒然諸々 『嫌われ松子の一生』文庫本下巻を読んで

 下巻は、上巻と違い一週間で読み終えました。下巻は嫌ミスぽく無かったのでスラスラと読めました。『嫌われ松子の一生』が嫌ミスでは無いかもしれませんが、わたし暗い話しが続くのが苦手です。

 読み終わっての最初の感想は、んー……つまらなくはなかったけど…。読み終わってみたら、後半も振り返って前半もは辛くなかった、です。松子は幸せに成れるチャンスが二度あったのに二度とも棒に振ったんだね。しかも元教え子で

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徒然諸々 『嫌われ松子の一生』文庫本上巻を読んで

徒然諸々 『嫌われ松子の一生』文庫本上巻を読んで

 山田宗樹さんの『嫌われ松子の一生』、文庫本上巻をいま読み終わりました。上巻までですが、読み終わるのに二ヶ月かかってしまった。わたしは所謂「嫌ミス」を呼ばれる小説が苦手なんです。幸、不幸は「禍福は糾える縄のごとし」と例えられるけども、先に主人公に不幸の連続があり、最期に幸せがある。この世に神様も仏さまもいらっしゃると思えるストーリーはなんとか読めるのだけども。先に主人公に幸せ、または平凡な日常があ

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『彼女は頭が悪いから』レビュー

『彼女は頭が悪いから』レビュー

『彼女は頭が悪いから』姫野カオルコ著を読んでの感想です。
この本、面白かったかと問われれば、期待してたほど面白くはなかったと答えたいです。物語り内容はだいたい分かっていました。わたしの期待した読み口と違っていたとうだけです。柴田錬三郎賞に選んだ方々など、面白かったと言ったり感動したと表現しているので、この文章構成を良しとするれば、良しということでしょう。別の言い方するなら、わたしの好みに合わなかっ

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『跡を消す』レビュー

『跡を消す』レビュー

 「近いうち書きます」と書いておきながら2週間も経ちました。
 気持ちを気分を上げて? 入れ替えて? 感想文を書きます。

 わたしは以前から納棺とか特殊清掃の仕事をしている方のノンフィクションを読むのが好きでした。青木新門さん『納棺夫日記』、吉田太一さんの『遺品整理屋は見た!』、漫画ですが沖田×華さんの『不浄を拭うひと』、おがたちえさんの『葬儀屋と納棺師と遺品整理人が語る不謹慎な話』などをシリー

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『神さまの貨物』 レビュー

『神さまの貨物』 レビュー

 『神さまの貨物』を読んでの感想を書きます。
 日本橋丸善で探したら、三階の高学年読書コーナーに置かれていたのでビックリ。二階の翻訳小説の棚じゃないんだ、ポプラ社から出ているから児童向け読み物と思われたのかな。それともポプラ社の営業さんのセールスで児童向け読み物コーナーになったのかな。最初はそう思いました。

 内容を簡単にまず書けば、雪の降る季節のある日、森に住んでいる木こりの夫婦の元に、貨物列

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『本日は、お日柄も良く』 レビュー

『本日は、お日柄も良く』 レビュー

 『本日は、お日柄も良く』作者は原田マハさんです。彼女は『楽園のカンバス』『ジヴェルニーの食卓』などの美術系、キュレーターの主人公の作品が有名です。しかし最近山田洋次監督で映画化された『キネマの神様』などそれ以外の作品も評価が高いです。
 『本日は、お日柄も良く』は"伝説のスピーチライター”久遠久美に弟子入りした、主人公二ノ宮こと葉の成長物語りです。
 こと葉はごくごく平凡な二十代の女の子。適当に

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『逆ソクラテス』 レビュー

『逆ソクラテス』 レビュー

 『逆ソクラテス』 作者は伊坂幸太郎さんです。
 全五編からなる短編小説集です。五つの物語り共に小学校五年六年生の男の子たちを主役に書かれています。実に読みやすい小説集です。リーディングが速い人なら1日で読めてしまうんではないでしょうか。

『逆ソクラテス』本のタイトルにもなっている最初の物語り。主役は加賀くんと安西くん。準主役の登場人物に草壁くんと佐久間さん。そして大事な登場人物として、安西くん

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『かがみの孤城』 レビュー

『かがみの孤城』 レビュー

 今回から読書感想を書いてみようと思います。
 はじめの一冊は最近発売された文庫本『かがみの孤城』です。作者の辻村深月さんです。辻村深月さんはファンも多いので、ファンを増やすような使命を感じなくてもいいから気軽でもあり、ファンが多いので不満や不愉快にさせるかもしれない心配もあり、気軽に書くには良いんだか良くないんだか……と思う『かがみの孤城』のレビューをします。それでは……

 舞台は中学校に行け

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