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犬がいるところ

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犬がいる小説・エッセイ等を集めています。 犬は偉大だ。
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#短編小説

ロビンソンの飼い犬【前編】

 芽衣子が両手指にマニキュアを塗っているとき、ぼくは決まって彼女にくだらない話をする。 …

七屋 糸
8か月前
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掌編【彼方の紐切り】

住宅街ですれ違ったおじいさんの手首から伸びる紐には犬がつながれていた。犬は小さく、毛がま…

柚木有生
9か月前
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百年探しつづけた犬【SF短編小説】

「こんにちは」  僕はその声を聞いて、目を開けた。目線を下げて、足元を見下ろす。透明な壁…

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短編小説:いぬの本懐

田舎の古い家というのは冬の雪の湿気や重みで真夜中、ひとがみな寝静まって、目の前に犬の鼻が…

きなこ
1年前
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【短編小説】勝手な上司

 月曜日。デスクについてノートパソコンを起動させるとGoogle Chatに着信通知がついていた。…

万野恭一
9か月前
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【短編小説】くちなしの死体は語る

 梅雨前線はしばらく関東に停滞するだろう、との予報をネットニュースで確認し、鍋島は顔をあ…

早藤尚
8か月前
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小説 宇宙犬

 うちで飼っている犬は自分のことを犬型宇宙人だと思っているので、散歩とかに行くときも、 「まがりなりにも宇宙人に首輪をつけようとするのは宇宙人権の侵害だワン」と文句を言ってくる。そうは言っても散歩のルールなのだから、   「市の条例的なやつで散歩中の犬には首輪を付けましょうっていわれているから、ペロに首輪を付けるのはやむを得ないよ」と説得すると、犬はワオワオウオンとうなりながらしぶしぶ同意してくれる。  散歩中、冬の夜の星のきれいな空の下を歩いているときなどはよく、 「

短編小説:いぬのかぞく

「なあモリさん、俺にはな、娘がおるんや」 霧雨の降る日曜の午後、朝からずっと落ち着かない…

きなこ
8か月前
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