後谷戸

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後谷戸

小説を書きます 返信が苦手なのであまり返信はできませんが、いただいた感想はとてもうれしいです https://lit.link/ushiroyato

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    夏休み最後の一週間を繰り返し、そこから出ようともがく女の子の話です

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小説 知らない知り合い

 部屋の片付けをしていると昔の知り合いがきてちょっと話が出来ないかという。 「宗教かマルチの勧誘か選挙の話だったらお断りだぜ」 「そうじゃないけど、まあお土産だってあるしさ」  と知り合いはお酒を取り出した。お酒だったら悪いことはないな、と家に入れる。  もうほとんど部屋の中は片付けてしまったのでコップの類が全然なかった。仕方がないからタッパーをよく洗ってそれをコップ代わりにして飲むことにする。知り合いは部屋の中をぐるっと見つめて、 「なんにもないね」と言った。 「引っ越すの

    • 小説 天井裏の忍者 強盗編

       天井裏に忍んでおれの命を狙っている忍者がバイトに行ってくるという。 「今度はなに始めたの」 「コンビニバイトを始めたのでござる」 「えらいね」  「もっと褒めるでござる。拙者はコンビニのマスターとなり、おでんの達人となるのでござるよ!」  とか言いながら出ていった。冷やかしにでも行ってやるかと追いかけると、忍者は一生懸命おでん種の形が崩れたやつを容器から取り出している。おれが来ていることに気づくとじとっとした目で見つめてきて、 「なに来てるでござる。お主は父兄参観の父兄かで

      • 日記 トークイベント用の石を拾いに行く

         トークイベントに来ていただいた方に石をプレゼントしたらこの作品っぽいお土産になるのではないか? というアイデアを頂いたので海に行くことに。  石なんかそのへんの川で拾ってきたらいいじゃないの、という意見もあるのですが、やはりプレゼントするにはいい石をあげたい、ということで、「都内 石拾い」とかで検索、出てきたHPが以下のページ このページを参考に二宮駅に行こうということで電車を乗り継いで二宮駅に。 https://x.com/ushiroyato/status/1819

        • 小説 書きかけのやつ

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        小説 知らない知り合い

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          小説 知らない知り合い

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          小説 書きかけのやつ

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          小説 鳩泥棒

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          小説 豆腐のうまい季節

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          小説 夢に死んだ人

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          小説 鳩泥棒

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          小説 俳句モンスター

           八月一九日は俳句の日、ということで「稲妻」を季語にした夏の俳句を詠んでみたところ、俳句モンスターが現れて、 「稲妻は秋の季語ですよ」と注意してくる。  「夏の季語だと思ってました。そうなんですか?」 「はい」  モンスターは博識であった。わたしはモンスターに師事することにした。 「一番長い季語は『童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日』です』 「実際に使えるんですか?」 「例句はありません」  モンスターはいろいろなことをわたしに教えてくれた。 「『雪女』は冬の季語なんですが、お

          小説 俳句モンスター

          小説 豆腐のうまい季節

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          小説 夢に死んだ人

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          小説 悪魔と契約

           友達が重たい病気にかかってこのままでは死んでしまうことに。なんとかならんかなと思っていると悪魔がしゃしゃり出てきて、 「おまえの魂をあげれば友達は生き延びることができるよ」と言ってくれる。「もちろんおまえは死ぬけど」 「えっ。ぜんぜんいいです。友達に魂をあげてください」  悪魔は一瞬ぎょっとした顔になる。  「なんで?」 「わたしってべつに生きてても仕方ないなあと思っていて、でも友達はすごいやつなのでわたしが生きているより友達が生きてたほうがぜんぜんいい気がするんで」 「そ

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          きみの絶滅する前に 参考文献

          参考文献表(順不同) 全体 デイヴィッド ベネター『生まれてこないほうが良かった』すずさわ書店 『現代思想 2019年11月号 特集=反出生主義を考える ―「生まれてこない方が良かった」という思想』青土社 リー・エーデルマン「未来は子ども騙し――クィア理論、非同一化、そして死の欲動――」『思想 2019年5月号』岩波書店 榊原清玄「反生殖主義とは何か」『人文×社会/1 巻 (2021) 2 号』『人文×社会』編集委員会 江永泉、木澤佐登志、ひでシス、役所暁『闇の自己啓発』早

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          小説 おばけあります

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          小説 哲学的ゾンビになる病気

           進行性の哲学的ゾンビになる病気にかかってしまった。 「なんとかならないんですか」 「まあむりですね、お諦めください」と医者も匙を投げる始末。   家に帰って恋人に嘆いた。 「どうしよっか」 「どうにもならないんだって。おれは近い内に意識を失ってしまうけど、でもきみはべつにおれを失うわけではないから、なんにも心配することはないんだ」 「そういうもんなの?」 「そういうもんなんだ。哲学的ゾンビってやつは、言ってみればおれの魂だけがなくなってしまうんだけど、でも、おれは今までとお

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          小説 バンドやめる

           ボーカルがもうバンドを辞めたいというので河原に呼び出して説得する。 「吸入器も買ってあげるから辞めないで」 「吸入器ったって喉に水蒸気当てるやつでしょ? 限度があるよ」  ボーカルは三日連続ライブをして以来喉がおかしくなって声が出なくなってしまったのだ。今はなんとか回復したけれども「こんな状況が続くようではとてもバンドなんか続けていられないよ」とのこと。おれは「なに言ってんだうおお」と歯噛みした。  そうして「就職してバンドは趣味ぐらいにするのがよいのではないか」ということ

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          小説 スパイダーマン(お騒がせのやつ)

           おれの軟禁されている部屋が地上三〇〇階ぐらいの高さにあるせいで、よくスパイダーマン(本物のやつではなく、高層ビルとかに登って最後には逮捕されてしまうお騒がせのやつ)が窓の外を通ったりするのでぎょっとする。 「危なくないの?」 「でもまあ、そこが醍醐味なので」   それでスパイダーマンはどんどん上の方に行ってしまって、最後には屋上で待ってるおまわりさんに捕まってしまうのだ。なにが楽しいんだかわからないが、なにが楽しいんだかわからないというだけで他人の行為を非難するのもなんであ

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          小説 友達をゾンビに

           死んでしまった友達をゾンビにして蘇らせたはいいものの海馬とかもうだめになっちゃってるからぜんぜん人格とかは残ってないし、 「あんた誰だっけ?」と言ってわたしのこともすっかり忘れているのでなんのために蘇らせたんだかわからない。 「わたしだよわたし!」 「知らないよん」   だからといって友達の顔と声を持っている存在をもう一度死体に戻してやろうというふうな踏ん切りもつかないので、仕方なくわたしたちはそのまま一緒に暮らすことに。 「えーなんで蘇らせたの?」 「きみはわたしの友達だ

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          小説 ターミネーター的なロボット

           未来からやってきたわたしの息子を名乗る男がうちに住み始めてからもうしばらく経った。  はじめは「そのうちターミネーター的なロボットがやってくるから、それに備えているんだよ」という言い草をちょっとばかり信じていたのだけれども、ターミネーター的なロボットは一向にやってこないし、そのことを追求すると、  「時間を間違ってぼくが早めについちゃったのかもしれない」と言い訳をする自称息子。 「でも来週にはきっとくると思うよ。だからそれに備えてぼくはお母さんを守らなくちゃ」と言う。蕎麦屋

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