マガジンのカバー画像

龍孫江の群論・環論道具箱

龍孫江の群論道具箱・環論道具箱の記事を同時に読める合冊版です.それぞれ購読するよりはお得な価格設定となっております!龍孫江へのご支援を兼ねてご購読いただければ幸いです.
¥700 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

#龍孫江の数学日誌

零化イデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

 コロンイデアルを導入し,イデアルを観察する道具が揃いつつあります.イデアルから環の仕組…

部分群の指数〈龍孫江の群論道具箱〉

 左右の剰余類を導入した折に,その数については特に述べていませんでした.実は,左剰余類と…

コロンイデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

 要素の演算をイデアルによって再表現する中で,「商」に対応するイデアルを作りました.とこ…

交代群〈龍孫江の群論道具箱〉

 あみだくじへの分解を通して転倒数から置換の符号を導入し,偶置換・奇置換を定義するに至り…

商とイデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

 素元分解によって整除関係を顕わにし,商を記述することができました.これを発展させて,よ…

偶置換・奇置換〈龍孫江の群論道具箱〉

 符号$${\operatorname{sgn} \sigma := (-1)^{\operatorname{inv} \sigma}}$$が準同型,すな…

GCDとLCM〈龍孫江の環論道具箱〉

 素元分解を用いて,整域におけるいろいろな性質を書き直そうと試みています.前回は整除関係を捉え直しましたが,今回は最大公約数・最小公倍数を拡張します. https://youtu.be/zupDQqtk_ZY 整除関係が導く前順序 整域$${A}$$において,$${A \setminus 0}$$の関係$${\le}$$を $${x \le y \iff A}$$内で$${x}$$は$${y}$$を整除する と定めると前順序,すなわち反射律と推移律をみたすことがわか

符号と演算〈龍孫江の群論道具箱〉

 置換$${\sigma}$$の符号$${\operatorname{sgn} \sigma}$$を,転倒数を用いて$${\operatornam…

素元分解と整除関係〈龍孫江の環論道具箱〉

 一意分解整域(UFD)の概念を導入し,整域がUFDとなる条件を考えてきました.一方,素元分解…

置換の符号〈龍孫江の群論道具箱〉

 転倒数を導入し,その性質を活用して置換を隣接互換の積に分解する方法を与えました.かよう…

ネーター環の特徴づけ〈龍孫江の環論道具箱〉

 ネーター環(昇鎖律および極大条件をみたす可換環)を導入し,PIDがネーター環であること…

置換の最短表示〈龍孫江の群論道具箱〉

 転倒数を導入してその性質を観察し,置換のあみだくじ表現について整理する準備が整いました…

PIDのネーター性〈龍孫江の環論道具箱〉

 ネーター環の概念を導入し,PIDがUFDである証明の準備が整いました.PIDで「既約元は素元で…

転倒数の範囲〈龍孫江の群論道具箱〉

 置換を平面的なあみだくじで表示,すなわち隣接互換の積に分解するとき,いくつ隣接互換があれば足りるかが問題でした.ひとつの候補として「転倒数」を導入し,今回と次回でこれが求める値であることを示します. https://youtu.be/kc3yI2PJVoM 定理(転倒数の範囲)$${\sigma \in \mathfrak{S}_n}$$に対し,$${0 \le \operatorname{inv} \sigma \le \frac{1}{2} n (n-1)}$$.ま