うつ病になってはじめて分かった3つのこと
うつ病は、はっきり目に見えない病気です。
水面下で着々と、当人の体や心を蝕んでいく病気です。
今、うつの症状に苦しみながらも心療内科を受診することををためらっている人、自分がうつ病かどうか病院へ行く前に確信が欲しい方
今回はそんな「未受診」の方を対象に
私の体験に基づいた「うつ病のリアル」をお伝えできればと思います。
※これはあくまで私個人の体験であり、一例に過ぎません。今すぐうつ病かどうかを知りたい場合は専門医を受診しましょう。
1. 身体症状がすべて当てはまるとは限らない
私はうつ病の身体症状である「睡眠障害」はありましたが、「食欲の低下」は初期症状として見られませんでした。
うつ病の身体症状として、「睡眠障害」「食欲の低下または増加」「興味や喜びの喪失」などが挙げられますが、これらは必ずしもすべて当てはまるとは限りません。
私がお世話になっている医師の言葉をお借りしますが、
「うつ病の診断の基準はあくまで基準に過ぎず、すべての患者さんが同じ症状に当てはまるとは限らない」ということです。
私はこの「食欲の低下または増加」がはっきり見られなかったために
見た目がげっそりしたり
あからさまに太ったり
という「見た目での変化」がほとんど見られませんでした。
その為、周囲の人からも気付かれにくく、「普通そうに見えるけどな~」と言われることも多かったです。
その反面、「入眠障害」や「倦怠感」が強く、その症状にはかなり長いこと苦しめられました。
うつ病の症状はその人によって程度が異なります。
自分が何によって日常生活を送るのが苦しいのか、そこを明らかにすることが最も重要だと思います。
2. 周囲の人から見たら意外と「普通」?
先ほどの話とも繋がるのですが、私はよく
「普通そうに見えるけどな~」
と言われていました。
そう言ったのは、2週間に一度、3時間程度会う、ボイストレーニングの先生。
私は長いこと続いている倦怠感や不安感について相談したのですが、そう言われたときはかなり辛かったことを覚えています。
――じゃあ、なんで私は毎日こんなに苦しいんだろう。
これが「普通」なのだとしたら、私は明日からこの苦しさとどう付き合っていけば良いのか、それが分からなくなってしまいました。
その反面、うつ病が発覚した後 毎日一緒にいた同僚にはこう言われました。
「あのときはROMIの顔つきがおかしくて、あの・・・精神的な病気か何かじゃないかなって思ってた。」
毎日一緒にいた人には私の異変は何となく分かっていたようです。
話しても空返事だったり、歩くとき一点を見つめていたり、表情が乏しかったり、そういった異変を感じていたと言うのでした。
しかし彼女曰く、「精神疾患とか詳しくなかったから声をかけていいのかどうか分からなかった。」とのこと。
うつ病は、長い時間共に時間を過ごす人には「そう見え」ても、
時々会うくらいの関係の人には「そうは見えない」ことが多いです。
実際に心療内科に行ってみると分かりますが、
「明らかに精神疾患」という人は少なく、むしろ見た目は「意外と普通」でだったのを覚えています。
だから、「元気そうに見えるけどね。」「あなたはうつとかじゃ無いと思うよ~」と言われても、その言葉だけを信じるのは自分自身を苦しめる原因にもなり得ます。
他の人がなんと言おうと自分が辛いのなら心療内科を受診する選択をしても良いと私は思います。
また、うつ状態に苦しみ心療内科を受診するか悩んでいる人は
できるだけ関係の近い人に相談するのもおすすめです。
3. 波があるため、いつもどん底というわけではない
これも先ほどの「普通に見える」話と関連しますが
今思うと「普通に見える」のはいくつかカラクリがあります。
1:「どん底の日」はそもそも人と会わないから
2:うつには波があり、いつもいつも死にたいわけでもないから
これも私のかかりつけの医師に言われたことですが、
「うつ病には波があり、比較的調子の良い日も存在する」ということです。
人は誰しも調子の良い日、悪い日があると思います。
健康な人は調子が良くない日があっても、数日するとまた元気を取り戻します。
しかしうつ病にかかるとそうもいかなくなります。
私は「絶望感と倦怠感にまみれた日々」=どん底Dayが数週間続き、
その後「諸症状が比較的軽い日」=ちょっと普通Dayを数日過ごした後
またどん底Dayを数週間過ごす、というようなサイクルを繰り返していました。
ちょっと普通Dayが訪れたときには、
「あれ?この前のは気のせいだったかな?この調子で元気になれそう!」と思うのですが
数日後にまたどん底Dayが訪れ、「私は一体どうしてしまったんだ・・・」と悩んでいました。
先ほどのボイストレーニングの先生にも、どん底Dayには会うのをお断りし、ちょっと普通Dayにお会いしていたので私の異変がわからなかったのだと今となっては思います。
どん底Dayは、そもそも人と会う気力が沸きませんでしたから。
私はこのうつ病特有の波があったせいで、心療内科受診を長い間ためらっていました。
「ちょっと普通Day」があることによって「やっぱり私うつじゃないかも・・」と思い、
またどん底Dayに入ることで「やっぱりうつかも知れない!誰か助けて・・」と思い、
そんなことを繰り返してうつの波に振り回されていました。
この大幅な感情の起伏もうつ病の症状の1つですので、悩んでいる場合は心療内科に行くことをおすすめします。
4. さいごに:心療内科を受診する目安は?
「苦しみ」というのは他の人の目にも、そして自分の目にも見えません。
風邪のような症状が続いている
加えて精神的にも苦しさを感じている
しかし病院へ行くほどのことなのか判断しかねる・・
そういう人、結構多いのではないかなと思います。
私もそうでした。
うつ病は「精神疾患」という言われ方もしますが、正式には「脳の病気」です。
本人の気の持ちようでどうにかなる病気ではありません。
わたしも一時期「気の持ちよう」で何とかしようとしていた時期がありましたが、結局うつを治してくれたのはかかりつけの医師の指導でした。
他の病気と全く一緒で早期発見出来れば早く治すことが出来ます。
最後に、うつを経験した私が救われたカウンセラーさんの言葉をお借りして締めさせていただきます。
うつは、必ず、治る病気です!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。