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2023年3月15日 00:15
若い君の涙が瞳に溜まった涙がこの夜をこらえて明日明日の朝陽に溢れればひとつのつややなレモンとなってまばゆく光るのだろう
2023年4月3日 22:25
こんな日はトビウオになってうみの あお もそらの あお も知りたい
2023年5月1日 07:07
鳩は焦臭い階段にうずくまっている羽毛を辺りに散らし弱りきっている思い出すのはあの夏の日ただれた土地から飛びたった日空は青かったきのこ雲の影 残しながらも青くあろうと 踏ん張っていたいま 鳩はうずくまっているこんなにも怯えて脅しの応酬に狂った空気の中いまにも消えんと瞬いているヒトはどうしたろう作り上げた階段はいまだ途中にもかかわらずいつのまにか下って
2023年5月19日 08:36
川原で小石をいらうとき心満たされてゆくこのうつわはそれのみで足りているのだいつか地溝を流れた水がいまや雲となり天に浮かぶようにかつての我が感情はこれら石として現出している川原でいらう心はくぼんだり とがったりまるんだり ほそったり
2023年5月26日 08:50
大作を愛でては拙作を呪い素晴らしき人と出会えばつまらぬ我を慰むねこのしっぽを撫でながらヒトであることを恨んだりもする
2023年10月4日 21:28
押し花する ように手招きする ように風の瓶詰め夜の抽出虫眼鏡の中の宇宙解剖する ように椅子を製する ように感情の琥珀性善説の証明日常の濾過私的な考古学そんなように つくるそんなように いきる