メンタルクリニックに通院している方のカウンセリング
医療機関は病院(入院機能がある)と診療所・クリニック(主に外来診療のみ)とに分けられます。精神科・心療内科の診療所・クリニックをメンタルクリニックなどとも、呼称したりもします。
現在の日本の医療制度では、医師の技量や経験、また診療に費やした時間は殆ど評価されません。
メンタルヘルス・ケアに対してのニーズは高まる一方ですが、精神科専門医は既にキャパシティ・オーバーです。殆どのメンタルクリニックで、新規患者のスムーズな受付が困難となっています。
そもそも、一般的に、医師は、軽症な方より重症な方に対して、より力を入れて診療をしたいと考えるものです。すべての精神科専門医が、そのキャリアの過程で重症な方々の入院治療に専念している時期があります。メンタルクリニックで、入院治療を必要としない方々は、精神科病院で入院を必要とするより、医学的には軽症であるのは間違いないです。
したがって、十分な診療時間を割いても国からは評価されない、押し寄せるニーズに応えないといけない、通院で対応できる方は比較的軽症である、といった諸事情にて、メンタルクリニックの精神科専門医は、最低でも1日に40名の診察を行なうこととなります。すなわち、1人1人の診療時間を短縮して、日々の診療をこなすという状況に陥ります。
一方で、精神疾患の重症度と、本人の心理的苦痛度やQOL(Quality of Life:生活の質)は必ずしも相関しない事は、1990年代から複数の論文で繰り返し報告されています。
したがって、メンタルクリニックに通院されている医学的に軽症の方に対して、専門医はさらっとした診察で対応しているのですが、その方の心理的苦痛度は必ずしも軽くはない、ということです。この苦痛は投薬では緩和できない事が多いからこそ、心理療法・カウンセリングの適応になりますが、各クリニックで信頼できる臨床心理士・公認心理師を確保する事は困難です。
オンラインカウンセリングのサービスは現在複数ありますが、私から見て、医療的視点が無く、カウンセラーの資格もまちまちで、専門性が担保されているとは思えません。ですので、担当医としての立場からすると、信頼して、患者さんのカウンセリングをお願いできません。また、サービスによっては、精神症状がある程度あると、暗に利用を断ったり、明確に断ったり、と、本当に苦しんでいる方の支えになろうとしているとは思えないところも多いのです。
私がマイシェルパを立ち上げるに際して、仲間の精神科専門医達から、信頼されることは、最低限の責務だと考えましたし、それは今後とも変わらないでしょう。
だからこそ、精神医学的視点を有している、精神科医・産業医と連携が出来る、などといった資質を備えた信頼に足る臨床心理士/公認心理師のみにマイシェルパのカウンセラーをお願いしているのです。
あなたが、全国のどのメンタルクリニックに通院していても、安心してカウンセリングを受けたい、その時の選択肢としてマイシェルパが役立てるように、今後とも取り組んでまいります。