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【人物】 飛蝗 (29)放浪人 坂部綱光(29)検非違使少尉 たいおん(16)式神 茨木童…
○(回想)羅城門(夜) 荒廃した二重閣九間の楼閣。 開け放たれた扉をくぐって、 乗り…
○橘邸・壺殿 建物に囲まれた内庭を簀子から、 背を丸めぼんやりと眺めている橘。 …
○内裏・蘭林坊 供物御書が収められた葛籠の数々。 隅の暗がりで飛蝗の話を聞く公…
○鴨川・河川敷 晴天。 が、連なる山の向こうに黒雲。 枷をつけた襤褸の者ども(咎人) …
○同・河川敷 豪雨の中、逃げだす野次馬達。 飛蝗の声「おいおいおいおい待ちやがれ!」 ○…
○寧楽の地 青い空に遠く鐘の音がこだまする田園。 四方の山を背に、粗末な民家がいくつか。 水田を耕す牛と翁。 傍らでタガメを探す童。 やっと見つけ出し取り上げようとした刹那、一匹の亀が飛び出しタガメを丸のみにする。 童、ギャン泣き。 童「びええええええ!」 と、水干の少女が草むらから飛び出す。 水干の少女「ここにいたのか子神亀よ。うむ? 何を泣いておる童よ」 翁「その亀がタガメを食うてしもうたのじゃ」 水干の少女「左様か。ようやった子神亀よ」 童