16.「キライな人」を裏返してたら、周りが「スキな人」だらけになった。

むかしむかし。
あるところに、人嫌いの女の子がいました。

気が強くてちょっとコワい女の子。
意地悪してくる男の子。
いちいち口うるさくて面倒くさい大人たち。

彼らはみんな、彼女のキライな人たちです。

あの人キライ。どんなに優しくしてきたって、信じないもん。
仲良くなんてできないもん。だって、キライなんだもん!

頑なに人を嫌い、人を恐れる彼女。
そんな風にそっぽを向いていますが、どんどん人が離れていってしまいました。

優しくて人気者のあの子は、沢山の人にいつも囲まれて楽しそうだな…

と、彼女はだんだん虚しくなってきてしまうのでした。

そうするうちに、嫌うこと自体に疲れてきてしまいました。

彼女は周りに相談できる友だちもいないので、
本で対処法を探すことにしました。
すると、ある本にはこんなアドバイスが書かれてありました。

『嫌う必要はない、人に興味を持たなければいい』と。

うーん。嫌うのは疲れるし、ストレスだ。
でも、人への興味をなくすのはもっと難しいんだよな。
どうしようかな………?

彼女はますます考え込んでしまいました。
すると、ある時ハッと気づいたことがあったのです!

待てよ…?
自分と合わないから、キライになるってことは…
キライな人には、自分にはないものがあるってことなんじゃないか?
見方を変えれば、それは真似したくなるイイところなのかも!?

彼女の胸に籠っていた霧のようなモヤモヤが、
晴れていくような感じがしました。

そこで彼女はさっそく授業中に、
クラスで席の近い、苦手な女の子を観察してみることにしました。

うーん、グサグサ言ってる感じはコワいよな。
でも、それだけ意志がハッキリしてるのかも……
優柔不断な私にはないよね。潔さがあって、カッコいい

苦手な女の子の周りに渦巻いていた黒いものが消え、
教室の窓から差し込む日差しが、苦手な女の子の顔を明るく照らしました。

この子、スキかも………!!!

心がクルリと変わったのです!
そしてその瞬間、

「ねえ、この問題分かる?」

唐突本人に話しかけられて、彼女はビックリ。
テストの問題についての質問をしてきただけなのですが、
張りのある大きな声だったので、少しうろたえます。

でも、もう大丈夫。
前のあのコワい印象はありません。

この子の真っ直ぐなところ、私はスキだ!

相手と話すことへの不安が喜びに変わり、
明るく笑いながら勉強を教えてあげることができました。

これを機に、沢山の「あの人キライ」をひたすら裏返していくと、
「この人スキ」がどんどん増えていき、
最終的には身の回りがスキな人だらけになりましたとさ。

***

キライ疲れ、していませんか?

SNSでの炎上やメディアの流れをみても、
色んなモノ・コト・ヒトへの「キライ」に溢れてしまっていることに、
少し悲しいなという気持ちを込めて、書きました。

「キライ」という感情は、持つだけでカロリーが消費されます。
そしてその分、その感情を消すことも難しい。本当、厄介者ですよね。

「キライ」は一種の執着でもあるので、無くすことの方が難しいのです。
そこで、私が思春期を過ごす中で対処法として考えたのが、
「裏返し」でした。

オセロのように、黒を白にひっくり返すことで、
自分のプラスエネルギーにしていくことができました。

少し無理矢理かもしれません。
でも、この取り組みのおかげで前より人付き合いがずっと楽になりました。

キライ疲れにお困りでしたら、ぜひ試してみてくださいね。

では、今日はここまで。
最後までご覧くださりありがとうございました!

おやすみなさい、また明日🌃

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