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#テレ東ドラマシナリオ
amラジオの掛かっている化石みたいなタクシー
幼いころ、父親は仕事で遅くなることが多かったのでほとんど毎日タクシーで帰ってきていた。
遠くでカギが開く音がしてしばらくすると、するりと引き戸が開いて、何かを確認してから居なくなる。
夢枕に見ると、どこかかっこいいような、でも寂しいような気持ちにさせられた。
そんな家だったが小学生位までタクシーに乗ると言うのはトップレベルで珍しいイベントのうちの1つだった。
旅行に行って、持ち切れない位の
ホーチミンで会った掃除係の男の子と、骨董品みたいなNOKIAの携帯
【あらすじ】単身ベトナムに入った私は、行先も特になく、日々繰り返される祭りのような熱に浮されながら、北上のタイミングを計っていた。
私はメインストリートにある安いドミトリーの2段ベッドを旅の拠点としていた。
ホーチミン市の中心部にほど近いそのゲストハウスは、綺麗で快適、とまでは言わないが、温水の出るまともなシャワー室が完備されていた。
部屋数も多いからか家族経営よりは多少立派な、辛うじて企業