Vol.0.4 図書館は本との出会いの場
私は読書が好きです。書店や電子書籍で購入したり、図書館で借りることもあります。今回は私が図書館に行くようになったお話です。
私は遠距離だった彼と結婚が決まり、彼の元に引っ越しをしました。不安はありましたが、好きな人と結婚をする事が嬉しすぎて、新生活をとても楽しみにしていました。(※その後離婚するとはこの時はまだ知る由もない)
私は引っ越しを機に務めていた職場を辞めましたが、結婚後も仕事をするつもりでした。彼からも仕事はゆっくり探したいいと言ってくれたので、実家にいた頃はやらなかった家事になれるためにも、1ヶ月はゆっくりするつもりでいました。
起床→朝食→パートナーの見送り→掃除洗濯→買い出し→休憩(テレビをみる)→夜ご飯→なんだかんだの家事→就寝
そのサイクルを1週間過ごし、洗濯物を畳みながらお昼のワイドショーをひとりでぼーーーーーーっとみていてふとこう思いました。
「このままじゃ、私はダメ人間になる!!はやく仕事を探さねば」でした。
なぜこう思ったのかというと、『暇だったから』。この一言に過ぎません。暇は人を疎かにする、という持論を持つ私にとってこの状況は由々しき事態でした。掃除洗濯買い出しは2人分だから毎日やるほどでもないので、1日の大半は暇を持て余していました。
このままだと本当にソファに根付いてしまって、動きたい時になって動けなくなってしまうのではないかと恐れた私は、慌ててハローワークに駆け込んだ甲斐あって、引っ越しして1ヶ月も経たないうちに新しい職場に就けることができました。
それから仕事に家事と慌ただしい日々を過ごし、新生活にも慣れてきたある日、住んでいる家が私の居場所なのにどこか落ち着かなくなりました。
なんで?
今となってはこれを「寂しい」という言葉で説明できるのですが、言葉にできないこの気持ちがなんなのか当時の私にはわかりませんでした。
私は友達は多くないしひとり行動もできる人間だったので、知り合いがいない土地に行っても大丈夫だろうと思っていました。生活に慣れてきたとはいえ、彼でもなく、職場の人でもでもない「友達」という存在がこの地にいないというのは思いの外、ストレスになっていたようでした。それが知らないうちに大きくなっていていつの間にか「寂しい」になっていました。
これではダメだ、動かなければなにも始まらないので、まずは外へ出かけることにしました。改めて周辺を調べると雑貨やカフェがある商店街がありました。そしてその近くには図書館がありました。
図書館か…。図書館は大学で利用した事ぐらいしかなかったけど最近本読んでなかったし、新天地開拓も兼ねて行ってみることにしました。
図書館に入って本棚を眺めていると、書店で読みたいと思っていた本がそこにありました。仕事をしつつも節約生活で本を購入する余裕がなかった私にとって『ここにある本はほとんど読んでもいい』という、書店では高額で手に取れないような本もここでは借りられて読めるという図書館はまさに楽園のような空間でした。
図書館は書店と違うのは本を読むリミッターが外れる感覚になります。
例えば、二千円を握りしめ書店に入れば書籍を1冊、または文庫本3冊買うことができますが、図書館ではルールを守りさえすれば、何冊でも(上限あり)借りることができるので、ちょっと気になる本も手に取りやすい。
前日に図書館のサイトで読みたい本がないか調べて、当日借りようと思ったら、横にある本が気になってそっちの方を借りたり、1冊持って図書館を一周すればいつの間にか5冊に増えていたりするのなんて日常茶飯事。
こんな感じで図書館に通うまでは好きな作家さんの小説ばかり読んでいましたが、それからは読む本のジャンル幅や読む量も増えました。(そりゃ増えるわ)
私の人生で恐らく経験することはない職業や世界を知れるのはとても楽しくて、読んだ本の内容をパートナーに話したりもしました。
パートナーと出かけることもありましたが、多忙だった彼の重荷になりたくなくて、休日のほとんどは図書館に行く予定を作っていました。そうでもしていないとあの時の自分の中にいたモヤモヤのせいで自分が自分でなくなりそうだったから。あの頃は特に哲学・心理学や自己啓発系の本をひっきりなしに読んでいました。
そのうちに、人には(パートナーにも)相談しづらい悩みもどこかで私と同じ悩みを抱えている人がいないか本の中を探しながら読んでいました。
読んだ本に共感することはあっても、私が探していたモヤモヤの答えは見つかりませんでした。それなのに、全く異なるジャンルにふと手にした本で求めていた答えとは違うけどなぜか腑に落ちたりすることもありました。
本を読み続けてわかったことは、本は答えでなくヒントを教えてくれるものということ。
今までこういう考え方だったけど、なるほど、こういう考え方もあるのかと本はたくさんの気づきを教えてくれました。
住む場所が変わっても図書館通いは今現在も続けています。
図書館は私とって本の出会いの橋渡しをしてくれる存在です。
誰にもいえない悩みがある、または抱えた悩みがなんなのかわからないという人は一度図書館に行ってみるのをおすすめします。
答えが見つからなくてもなにかしらのヒントをくれるかもしれませんよ。
さて、この記事を書き終わったら、図書館で借りてきた本の続きでも読もうかね。