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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』23

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読書メモ

PartII 背景 6哲学的批判

  • 測定基準の両側に批判者がいる

  • 左翼マルクス主義者
    測定基準は脱熟練の促進

    • システムに従属する者たちの機能や経験の価値の引き下げ

    • 疎外の促進

  • 合理主義者の幻想

    • 保守派や古典的自由主義者思想家たちによる「測定としての説明責任」(ハイエクなど)

      • 知識の形を2つに区別

        • 抽象的で定式化されたもの

        • より実践的で暗黙に了解されるもの

    • オークショットは「合理主義者」を批判した

      • 合理主義者は、技術の至上主義を信じている、と考えた(本物の知識の証である確実性という基準を満たすため)

      • 合理主義の欠点は、実践的知識の必要性と、特殊な状況に対応する知識の必要性を軽視している、と考えた

感想

マルクス主義と古典主義者は水と油の関係かと思ってしましたが、「測定」「測定基準」に関して言えば、それぞれの立場で根拠は違うものの、批判的であるのが意外に感じました。(マルクスはともかくとして、古典主義者は「測定」「測定基準」には批判的ではないだろうと思いこんでいたため)

ともかくも、両者の批判で共通しているのは、「標準化」であると思います。個々の人間を測定可能な「標準」に合わさせるようにしてしまうことによる弊害が出てくることがわかりました。それは、仕事に対する人間の精神という、人間の在り方の根幹に関わるものではないかと感じます。

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Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
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