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やじまりこの短編小説

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やじま りこの短編小説集 ◻️ミステリー、ドラマ、コメディなど様々なジャンルを掲載。 ◻️不定期連載中
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#ショートショート

短編小説 「5秒先への賭け」 【全編】

短編小説 「5秒先への賭け」 【全編】

 アメリカ、ユタ州。月明かりに照らされた暗い田舎道を二つの光が進んで行く。

 五月蝿い程のエンジン音と、ラジオから流れている音楽が交じる車内では、薄汚れたシャツにジーンズを着た中年の白人男性がハンドルを握っている。

 助手席に座る、同じく拠れた服を来た黒人中年男性が、安そうな腕時計を気にした様子で確認している。

 助手席の男は、徐にラジオを消し、「なぁ、マイク。今夜は金曜の夜だ。そろそろいつ

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短編小説 「ビジターズ」 【全編】

短編小説 「ビジターズ」 【全編】

短編小説 「ビジターズ」 前編、後編をまとめたものです。

 夏の強い日差しがカーテンの隙間からさし込むリビングで、高木ゆきは一人汗だくになりながら、部屋で探しものをしている。

 「ピンポーン」

 チャイムが鳴った。ゆきがドアフォンのモニターを見ると、そこにはスーツを来た男性が写っている。

 「すいませーん。少しお時間宜しいでしょうか?」

 ゆきは返答せず、汗を拭い、作業に戻った。だが、販

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短編小説 「10 MIN (10分)」 【全編】

短編小説 「10 MIN (10分)」 【全編】

 朦朧とした意識の中、男はゆっくりと目を開けた。

 ボヤけた視界のまま辺りを見回し、立ち上がろうとしたが、立ち上がれない。手はロープで拘束されている。足が動かせないのも、確認はできないが、恐らく同様に縛られているのだろう。

 何が起きていると自問しながら、手足を動かそうとするが椅子自体も地面に打ち付けられているのか、身体はビクともしない。やがて視界が戻ってくると、錆び付いた外壁や、古びた機材か

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短編小説 「クズな男 (香水)」

短編小説 「クズな男 (香水)」

 「ん? 何でこんな事になっているんだっけ?」 男は自分の置かれている状況に首を傾げた。

 金曜の夕方の納期に追われた慌ただしい最中だった。予期せぬ相手から、LINEでメッセージが来た。

 「お久しぶりです。清田さん、今夜空いてます?」

 メッセージの主は、一年前会社を辞めていった後輩の真名川華香からだった。新入社員として入り、直属の部下として2年ほど面倒を見た。決して仕事ができるという訳で

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