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シオマネキの剥製作りに挑戦してみた

シオマネキの研究者の方からアルコール標本にして保管しているシオマネキを剥製にできないかというお問い合わせをいただき、剥製を制作させていただくことになりました。

今までアルコール標本から剥製を作ったことはないので初めての挑戦になりますが、何事も経験です!
自分のスキルアップの良い機会だと思い引き受けさせていただきました。


送っていただいた標本がこちら↓

上から順に
シオマネキ(オス、メス)
ヒメシオマネキ(オス)
ハクセンシオマネキ(オス、メス)
オキナワハクセンシオマネキ(オス)
です。

左上のシオマネキのオス以外は1円玉サイズとなかなか大変そうです。
そんなに大きくないだろうなとは覚悟していましたが、まさかここまで小さいとは・・・💦

しかし引き受けてしまったからには後には引けません。
貴重なサンプルを託してくださった依頼者様の思いに応えるべく最善を尽くす所存です!
・・・とカッコつけてみたものの、内心では失敗しないかビクビク怯えながら作業開始です😅



まずはボイル。
アルコール標本になっていても茹でたら赤くなるんですね。



殻を壊さないように肉を取り除きます。

ここからは1円玉より小さなオキナワハクセンシオマネキのメス(右下)も加わりさらに難度アップです。
(送られてきた時点でこれは小さすぎて剥製にするのは無理だろうと思って敬遠していましたが、恐る恐る挑戦してみたらなんとか除肉できたので、他の個体と一緒に作業を進めてみることにします)



殻を組み直してポーズを整えます。

シオマネキ


ヒメシオマネキ


ハクセンシオマネキ


オキナワハクセンシオマネキ

ポーズを整えるだけで5時間もかかってしまいました。
小さすぎてめちゃくちゃ大変です😭

ポーズが固まるまでこのまま乾燥させます。



1週間後・・・



シオマネキ


ヒメシオマネキ


ハクセンシオマネキ


オキナワハクセンシオマネキ

十分に乾燥しているようなので、色を塗っていきます。

はてさてこんな小さな甲羅に模様を描けるのか・・・。
不安しかありませんが、とりあえず頑張ります。



そして頑張った結果がこちら↓




シオマネキ


ヒメシオマネキ


ハクセンシオマネキ


オキナワハクセンシオマネキ

小さい甲羅に模様を描き込むのが大変で、1匹塗るのに10時間近くかかったり、小さすぎてエアーブラシの風が当たっただけで脚が折れてしまったりと、それはまあ苦労の連続でしたが、なんとか完成させることができました!これからは嫁ぎ先にて末永く活躍してくれることを願います。

今回はアルコール標本から剥製を作る&1円玉より小さな剥製を作るという今までにない挑戦でしたが、無事に完成まで漕ぎ着けることができ、また新たな境地を開拓できたと実感しております。

これまで剥製師として成長してこれたのも、ひとえに皆様方のご依頼のおかげです。
これからも技術の向上に努めて参ろうと思いますので、今後ともご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。

とはいえ作れるサイズにも限度があるので、あまりにも小さすぎる個体のご依頼はやめてくださいね😓

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魚道部!/ 剥製師 力石眞弘 (チカライシ マサヒロ)
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