はじめに この度は「剥製の作り方 ~アメリカザリガニ編~」をご覧くださり有難うございます。 剥製と言いましても、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類などジャンルは多岐にわたり、作り方も様々です。本記事は小さな甲殻類をいかにして簡単に剥製っぽく作ることができるかを紹介したものです。ですから、この記事を読めば全てのジャンルの剥製が作れるとか、本格的な剥製が作れるなどとは思わないでください。 本格的に剥製を作ろうと思うと、シンナー系の塗料など体に有害な材料を使うことになるので、この記事
飼育中のイセエビが脱皮したのでその抜け殻を剥製にできないかというお問い合わせをいただき、剥製を制作させていただく運びになりました。 送っていただいた抜け殻がこちら↓ 全長50㎝はあるでしょうか。なかなか立派な個体です。 腹部に付着しているピンク色の石灰藻が長年生き抜いてきた猛者感を醸し出していますね。 今回は抜け殻なので除肉の必要はありません。 きれいに水洗いし、ポーズを整えます。 このまま一週間ほど乾燥させます。 抜け殻は実物に比べて殻が薄く割れやすいので扱いが難
10月26日㈯に京都勧業館みやこめっせにて開催された「いきもにあ2024」に出展させていただきました。 一日だけの出展でしたが、開場直後から閉場間際まで多くの方が作品をお迎えくださり、大変嬉しい悲鳴を上げております。 これからも皆様に親しんでいただける作品を作れるよう技術の向上に励みますので、今後とも魚道部!をよろしくお願いいたします🙇 (接客と挨拶回りが忙しく、会場の様子の写真を撮り忘れてしまいましたので、今回は短文にて失礼いたします💦) 末筆ながら、ブースに足をお
昨年久々に参加させていただいた生きものファンイベント「いきもにあ」。 今年も京都勧業館みやこめっせにて開催されます。 (開催日は2024年10月26、27日) 今回も魚道部!は出展させていただける運びとなりました🎉 会場マップが小さくて見えにくいかもしれませんが、 ブース位置はH通りの171番で、10月26日㈯のみの出展となります。 例年通り甲殻類や魚の剥製、昆虫標本などを展示、販売する予定です。 出品物一覧はこちら↓ なるべくたくさん新作を持って行けるように、只
昨年アメリカザリガニのご依頼をいただいた NPO法人「みんなでつくる自然史博物館・香川」 様よりアカテガニのご依頼をいただき、剥製を制作させていただく運びとなりました。 アメリカザリガニの制作についてはこちらをご覧ください↓ 冷凍庫の中にたまたまストックがあったので助かりました。 (こんなこともあろうかと、道端で死んでいる個体を見つけては拾って冷凍庫に保管しているのです😅) 長年冷凍庫に入れていたため冷凍焼けを起こしてかなり変色していますが、体の色は後から絵の具で塗装し
広島大学の学生さんとちょっとしたご縁ができ、広島大学でワークショップを開催させていただきました。 今回は2名の学生さんが参加されたのですが、 それぞれ ベニズワイガニと オオバウチワエビ(3匹)を持ってこられました。 ベニズワイガニは過去に制作経験があるので作り方をレクチャーできると思うのですが、実はオオバウチワエビは制作経験がありません。 見るからに斑点模様の塗装が難しそうですね💦 果たして上手く完成まで導くことができるでしょうか? 一抹の不安を抱えながらのスタ
スーパーで見かけたシャコがあまりにも立派だったので、衝動買いしてしまいました😅 画像では大きさが伝わらないかもしれませんが、 手に乗せてみると特大感が伝わるかと思います。 冷凍庫の中はまだ制作に取りかかれていない子たちでいっぱいだというのに、また物を増やしてしまいました。 神様、こんな罪深い私をどうかお許しください。 ってか、こんなデカいシャコ見せられたら誰だって即買いするだろ! ↑ 全く悔い改める気のない奴(笑) こんなに見事なシャコを手に入れたら、早く剥製にした
昨年末に友人からもらい、ねとらぼ様に記事にしていただいたヘイケガニ。 記事はこちら↓ 剥製にすると公言しておきながら長らく時間が経ってしまいました・・・。 本当はもっと早く取りかかりたかったのですが、制作経験がないので失敗してはいけないと思い、まずは近縁種のキメンガニ(友人からたくさんもらってストックが十分にある)でコツがつかめるまで練習していたのです。 キメンガニの制作の様子はこちら↓ キメンガニの制作で経験を積み、機は熟しました。 今度こそ本命のヘイケガニで成果
誠に光栄なことに、兵庫県三田市にある「兵庫県立人と自然の博物館」(通称ひとはく)様よりお声掛けいただき、博物館にて作品を展示させていただける運びとなりました。 4階の休憩コーナーの隣にある展示スペースを使わせていただいております。 瀬戸内に馴染みのある魚や甲殻類の剥製が中心ですが、 ヘイケガニやキメンガニなどマニアックな種類も展示しております。 展示の両サイドには 剥製の作り方を紹介したパネルもありますので、併せてご覧ください。 さらに恐れ多いことに パネルまる
友人が漁で獲れたキメンガニをくれたので剥製作りに挑戦してみようと思います。 変わった形のカニでしょ? 漢字で書くと「鬼面蟹」。 ゴツゴツした甲羅が鬼の顔のように見えることが名前の由来だそうです。 ヘイケガニの仲間で、短い4本の脚で貝殻などを背負って身を隠す習性があります。 このような特殊な形のカニを手掛けるのは初めてなので成功するかわかりませんが、完成させられるように頑張ります。 それでは制作開始です。 まずはボイル。 茹でるとご覧の通り赤くなりました。 見た目
齢85にして「猫一匹まともに描けない」と嘆いた葛飾北斎 名声を確立してもなお高みを目指し続ける姿勢には頭が下がる。 自分も大成してなお「サワガニ一匹まともに作れない」と言えるようになりたいが、作品を作るたびに「自分史上最高傑作ができた!」と悦に入ってしまうから達人の域には程遠い😅
2024年3月20日にリニューアルオープンしたばかりの「天草市立御所浦恐竜の島博物館」(熊本県天草市御所浦町)に行ってきました。 「恐竜の島」という名前の通り、島にある博物館なので船で渡らなければ行くことができません。 天草上島の棚底港、大道港、天草下島の本渡港から定期船が出ていますので、時刻表等は博物館ホームページにてご確認いただければと思います。 今回私は定期船の便が一番多い棚底港を利用することにしました。 尾道を出発し高速道路を徹夜で運転すること8時間🚗 長い道の
どーも。 noteを始めたばかりの剥製師、力石です。 この記事では自己紹介もかねて私が作っている魚の剥製の作り方を紹介できればと思っています。 博物館などで剥製を目にする機会があるかもしれませんが、どうやって作っているのだろうと気になったことはありませんか? \皮剥いで綿詰めるだけだろ?/ 確かに大まかな作り方は仰る通りなのですが、実は作るのがとっても大変なんです💦 それではざっくりと作り方を見ていきましょう。 まずは魚を用意します。 このメバルは友人が釣ったものを
1.剥製師とは 皆さん初めまして。 広島県尾道市で魚道部!という名前で剥製師として活動しております、力石 眞弘(ちからいし まさひろ)と申します。 はくせいし? 多くの方にとっては聞き慣れない言葉かもしれませんが、読んで字のごとく剥製を作る人のことです。 剥製は博物館などで目にすることができますが、誰がどうやって作っているのだろうと思われたことはありませんか? 皆さんが気になったその剥製を作っているのが剥製師です。 2.日本と海外での剥製の捉え方の違い 剥製師