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イセエビの抜け殻から剥製を作ってみた

飼育中のイセエビが脱皮したのでその抜け殻を剥製にできないかというお問い合わせをいただき、剥製を制作させていただく運びになりました。


送っていただいた抜け殻がこちら↓

全長50㎝はあるでしょうか。なかなか立派な個体です。
腹部に付着しているピンク色の石灰藻が長年生き抜いてきた猛者感を醸し出していますね。

今回は抜け殻なので除肉の必要はありません。
きれいに水洗いし、ポーズを整えます。



このまま一週間ほど乾燥させます。

抜け殻は実物に比べて殻が薄く割れやすいので扱いが難しいのですが、無事に乾燥してくれることを願います。


一週間後・・・


殻も割れることなく無事に乾燥してくれました。


続いては塗装です。
アクリル絵の具で色を塗っていきます。
依頼者様に石灰藻は残したままの方が良いか伺ったところ、塗りつぶして構わないということでしたので、


容赦なく塗りつぶさせていただきます😅

胴体部分を塗るだけで5時間かかりました💦
塗装一日目はここで終了です。



二日目は脚と腹部の模様を塗装。


特に大変だったのが腹部の点描💦
点を打つだけで2時間もかかってしまいました。
老眼のジジイにはかなりの精神的ダメージです😖

疲れたので今日はここで終了。



塗装三日目は 点描した部分が見えるか見えないかくらいになるまで塗りつぶす作業です。
昨日の努力がほとんど水の泡に・・・。

\塗りつぶして目立たなくするんだったら点描なんてめんどくさいことわざわざしなくてもいいじゃん!/

と思われるかもしれませんが、実物の色彩がこんな感じで見えるか見えないかくらいの斑点模様がついているのです。
このどうでもいいようなひと手間に作り手のこだわりを感じていただけますと幸いです。



四日目は裏側の塗装です。

今まで作ったイセエビは表側しか塗装してきませんでしたが、今回は依頼者様が両面加工をご希望ということで裏側の塗装に初挑戦。
白い模様が複雑に入っていたり脚がグラデーションになっていたりと、表側を塗るより大変でした💦



これでようやく塗装が終わりましたので、コーティング作業に移ります。


・・・と完成ムードでいたのですが、ここで塗り忘れが発覚!!


腹節に生えている毛を塗っていませんでした。
というわけで、急遽塗装五日目に突入💦



2時間かけて毛の部分を塗装しました。

手間はかかりましたが、こっちの方が断然良いですよね👍
(遠くから見たら全然わからないですけど・・・😅)


というわけで、今度こそ仕上げコーティングを施して



完成です!

おぉぉぉぉぉ~。
自分で言うのもおこがましいですが、これは良い出来なのではないでしょうか。
自分史上最高のイセエビに仕上がりました!


完成後は依頼者様の元へ郵送。
輸送中に壊れてしまうのではないかと心配していたのですが、破損することなく無事に届いたとのことです。
仕上がりにも大満足してくださり、作り手としても嬉しい限りです。

これまで何体もイセエビの剥製を作ってきましたが、作るたびに上達しているように感じるので、今回も自分の成長を実感できた実りある制作になりました。

多くの方に喜んでいただけるような剥製が作れるようにこれからも技術の向上に励みますので、今後ともお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

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