【要約】サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 読書記録7
サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい
水戸政和
大学卒業後M&Aに関わる仕事に就くことから、会社の売買についての本を探しているときに出会い、タイトルとホリエモンの顔写真(帯にホリエモンが使われていた)に惹かれて手に取った1冊。
今後近いうちに「大廃業時代」といって、多くの中小企業が廃業を余儀なくされる時代が訪れると言われている。
企業の業績に関係なく、「跡継ぎがいない」ことでこの問題が発生している。
廃業をせざるを得ない企業の中には「黒字」として事業が上手くいっている企業も十分にある。
そこでこの「黒字だけど後継ぎがいない」という企業をどうにかして救っていく必要がある。
一つの手が、買収したいという企業を見つけ、M&Aを行うことで事業の継続を可能にする。
もう一つの手が、個人がこれらの企業を買収し、経営していく。
この2つ目の方法について、サラリーマンとして雇われ続ける「こちら側の世界」ではなく、資本家として「あちら側の世界」に行こう、というメッセージが、その考え方と具体的な方法とともに書かれている。
「起業したい」という人はよく聞くが、「会社を買いたい」という人は聞いたことがない。
本書を読むことで起業すること(ゼロから事業を作り出す、ゼロイチ起業)の大変さや、ほとんどの事業が失敗に終わるということが統計的に証明されているということを理解でき、「スタートアップ」とか「ベンチャー」という言葉のかっこよさゆえに「起業したい」と短絡的な思考で口に出している人も多いことが理解できる。
黒字の企業が後継ぎがいないことが理由で廃業になるということは、その企業の競合以外にとってはマイナスなことでしかない。
だからこそ、会社買収の際のリスク(考えられるリスクは株式取得に必要な買収資金のみらしい)が、制度の改革によってかなり少なくなってきているみたい。
実際に会社を買うかどうかは別として、サラリーマンとして生きていく道に一つのオプションとして「個人で会社を買う」という選択肢があることを知ることができたことが、本書に出会えてよかったと思うことである。
同時に、いろんな選択肢を検討できるだけの知識量や情報感度の高さを高めていく必要性もあるということを学んだ。
「起業したい」と思っている人、老後の暮らしに経済的な不安がある人、会社の経営に長年興味がある人などにはオススメできる1冊。
気になった方はぜひ。
では、また。