「メタ認知」が最強のソリューションである
僕は基本、感情的になったり頭に血が上ることがない。
よく言えば冷静で温厚、悪く言えば人間味がない、とも言えるかもしれない。
アメリカにいる人々は、日本に比べて感情に忠実な態度を示すように感じる。
くだらないことで笑うし、ちょっとしたことでケンカ口調になるし、すぐ物に当たるし。
人間っぽくていいとも思うが、感情的になることのデメリットもたくさんあるはずだ。
メタ認知という言葉を聞いたことがあるだろうか。
教育学部に通っている僕にとっては、日本で大学の授業を受けているときに何度か耳にしたワードだ。
でも正直、当時はあまり理解していなくて、「メタ認知って何?」と聞かれても答えられない状況であった。
だが、最近の就職活動のための自己分析として自分のことを深く知ろうとする過程で、この「メタ認知」にたどり着き、理解を深めた。
というのも、冒頭で述べたように僕は日常生活で、感情的になることがほとんどありませんし常に情緒が一定です。
長年サッカーをしていますが、最近は試合中ですら無駄に感情が高ぶることはありません。
そこについてWhy?の問いを投げかけ続けると、「メタ認知」にたどり着いたという流れである。
メタ認知という言葉を何度も使っていますが、そもそもメタ認知ってなんぞやというところを簡単に説明すると、
「第3の目として自分を俯瞰して客観的に見ることができる能力」
としています。
よくネットでは「自分の認知を認知すること」と表現されていますが、よくわからないので自分なりに分かりやすく説明したものがこれです。
例を挙げると、相手に挑発されて感情的な行動や発言をしたくなった時に、一瞬この第3の目に切り替えて自分を上から見下ろしてみる。そして挑発に対してイラっとして、感情的になっている自分がそこにいることを理解する。それができると、感情の赴くままに行動することを避けることができ、トラブルの解消になったりもする。
また、これは怒りという感情にのみ役立つものではなく、様々な場面に応用できる考え方となっている。
大学生になると授業で、自分が作ってきたパワーポイントの資料を用いてみんなの前でプレゼンテーションをする機会がたまにある。
このとき、多くの人はいわゆる緊張をすると思います。
大勢の前で話すことが苦手な人や、失敗したらどうしようと不安に駆られる人など、気持ちはとてもよく理解できる。
しかし、ここでメタ認知が力を発揮する。
発表を目の前に控えた状態で、フッと第3の目に自分の目を切り替えて、緊張と不安でいっぱいになっている自分を見下ろしてみて欲しい。
「うわ、自分緊張してるな~」と思えたら勝ちだ。
目の前のことでいっぱいだったのに、なんだか心に余裕もできて、あんなに緊張してた自分がバカみたいと思えるだろう。
ほかの例としては、考えを行動に移せないシーンなんかもメタ認知が解決できる。
「人間はやらない理由を作るプロである」という「嫌われる勇気」からの考え方によると、何か新たな行動を起こすときに何かしらの理由を無意識に自分で作って行動しないように、行動しなくていいように脳が動くそう。
1つ目の理由が解消されても2つ目の理由が生まれて。それを解消しても3つ目の理由を作って、、、というように。
これにもメタ認知が活躍する。
今日ジムに行こうか悩んでいる。
昨日はオフだったから今日はさすがに行きたい。
あ、でも今日までの課題があったな。
まあ課題はまだ時間あるし大丈夫か。
あ、でも明日結構志望度の高い企業の面接があるから面接の準備しないと。
まあでも正直志望動機も固まっているし、場数も踏んできてるから大丈夫か。
あ、でも、冷蔵庫何もないから買い物行かないといけないんだった。
よし、買い物行こう!
この思考をしている人間には、スーパーに向けて家を出発する前にメタ認知をしてほしい。
そうすると、明らかにジムに行かないためにほかの用事を思い出して、もしくは作り出して、ジムにいかない、いけない状況にしていることが分かる。
「ジムに行かない理由を頑張って作り出してるな~、自分」と第3の目で見ることができれば考え方は大きく変わるはず。
他にやらなければいけないことがあることは否定しないが、さっさとジム行って筋トレして、帰りにスーパーよって、ご飯食べて課題して、寝る前に面接のイメトレをして眠りにつけば良い。
うだうだ考えてないでさっさと行動すれば良い。
このように行動の選択をするときにも、メタ認知を利用することで、ベストな行動をとらないような妨げを無意識にしている自分を認知して、鼻で笑いながら正しい行動を選択するということができるようになる。
僕はサッカーの試合中でも感情が高まることはないと言ったが、サッカーはスポーツなので時には感情に頼って勝利を目指すことは必要である。
また、人間は論理だけでは動かないともよく言われ、人が動くとき、説得が成功するとき、信頼してもらう時というのは決まって情が見えた時であると考えている。
だからこそ、ここで大切なことは、メタ認知によって自分の感情を操ることで、感情に任せて行動をするのではなく、自分で行動を選択できるようになるということである。
メタ認知によって自分で行動が選択できれば、サッカーの試合中に「ここは感情的になって相手にプレッシャーを与えよう」と考えてあえて感情的な行動をとることもできる。
何にだって応用が利く。
これが「メタ認知」である。
いかがだったでしょうか。
感情的になることで後悔するようなことをしてしまう人や、緊張や不安に弱く本番ではいつも失敗してしまうというような人は、少しメタ認知について学んでみると新たな発見があるかもしれませんね。
「メタ認知」は最強のソリューションである。
では、また。
〇思考