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石山寺門前のホントのお薦め 成瀬が教えてくれない大津観光案内 ⑦

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セタシジミを常食していたグルメな石山原人

石山寺の名物料理はしじみ飯だそうだ。しじみ汁は誰もが飲んだことがあるだろうが、しじみの炊き込みご飯はあまり馴染みがないだろう。なぜしじみ飯かといえば、瀬田川にはセタシジミという固有種が棲息しており、これが大変に美味だからだ。しかし、瀬田川の埋め立てや堰き止めなどにより、セタシジミはめっきりとれなくなってしまった。そのためにしじみ飯に使われるのは、流通量が多いヤマトシジミがほとんどだが、これは仕方がない。セタシジミの再興を祈ろう。

石山寺門前にはしじみ飯をはじめとして、数々の名物を謳う食べ物を供する店が並んでいる。門前の見どころやアクティビティも併せてざっくりと紹介していこう。

二つの複合店舗

若い女性やファミリーは、スイーツの店舗が並ぶ石山テラスに寄れば、何らかの好物が見つかるのではないか。

叶匠壽庵などのテナントが入る山門の真ん前の寺前浪漫だが、ほたるの里が提供する揚げみたらしがおいしい。

カリッ、もちっの新食感

石山貝づくし

石山には縄文時代の8000年ほど前から人が住み着いていて、石山寺の駐車場の下には、貝塚の地層がある。石山観光会館で貝塚の剥ぎ取り断層が展示されている。

セタシジミが食べ放題なんて、現代人よりも贅沢じゃないか。実は瀬田町漁業協同組合でセタシジミが買えるのは内緒だぞ。貝のモニュメントにはクスッと笑える。

牛玉ごおうさん

山門前では毎月恒例の牛玉さんというが開かれており、朝採り野菜や郷土の惣菜や骨董品などが売られる。地元の人と交流できるのもいいね。

毎月18日開催

牛玉さんが開催される門前の庭園も赴きがあるので見て回ろう。

ご当地絵葉書をラッピングポストに投函しよう

石山寺で絵葉書を買い、

石山寺や紫式部の切手があるといいけど

風景印を押してください」と窓口でお願いし、

石山寺郵便局の風景印

紫式部ラッピングポストに投函する。

旅先から出されたご当地絵葉書は最高の土産だよ。郵便局は土日祝休みだから平日にね。

観光地での賑わいやレビューは当てにならない

すべての店を紹介するわけにはいかないが、主な店を挙げていく。行列ができる店、手頃な店、お値段が立派な店。目的や同行者に合わせて選んでほしい。最近はクラフトビールの店までできたので、一昔前の石山寺から門前の顔ぶれは様変わりしている。しかし、観光地だけに賑わい具合と実際のところは、ちょっと違うのをこっそり教えちゃう。ちなみに、記事の下に行くほどオススメ度は高い

オールマイティな石山寺の旗艦店

あらゆる形態のメニューが取り揃えられ、団体にも対応する大型レストラン「レストラン瀬田川」や土産販売店もある洗心寮。石山テラスもこの会社が運営している。郷土料理を中心に手広くやっているので積極的におすすめはしないが大人数のグループや同行者と意見が分かれた場合は最有力候補になる。みやげコーナーがあるのは有難い。

石山寺名物志じみ釜飯

湖舟のしじみ釜飯は他の店よりも美味しい。しかも赤だしには貴重なセタシジミが使われている。

志じみ茶屋湖舟

このところうなぎや近江牛がメニューに加わった。もちろん美味しいが、しじみ飯の単価が安すぎて儲からないからだろう。特にうなぎが食べたいわけではないなら、迷わずしじみ飯を選ぼう。以前はしじみ飯にカレーをかけて食べるメニューが人気だったが廃止された。これも手間ばかりかかって儲からないからだろう。

至誠庵は、かつて隣に店舗を構えていたふなずしの店で、湖舟は至誠庵が母体だ。湖舟の店内で販売されるふなずしも佃煮も美味しいので、みやげとしてもおすすめだ。

ふじおこわを食べてたばしるを土産に

茶丈藤村は和菓子屋だが、カフェスペースのふじおこわがおすすめだ。優しい塩気とふっくらした炊き具合が、腹ごなしの軽食としてちょうどいい。

数量限定のふじおこわ

大粒あんと胡桃を餅で包んだ銘菓たばしるは、石山寺みやげの定番になっている。

ありそうでなかったハーモニーの「たばしる」

ストラックアウトな9マスランチプレート

R's HAPPY BAKE CAFEは、女性店主が一人で切り盛りするので、ランチメニューは9マスランチプレートのみ。9マスのうちで当たりは幾つか数えながら食べよう。

見た目よりボリュームがある

観光地なのに街中よりもお値打ち感があるランチメニューだ。明るい店内は女性比率が高いのは言うまでもない。

地元民に愛される割烹

この季節感溢れる盛り付けは新月ならでは

観光地にあるが、正統派の京懐石が食べられるので、近隣住民のハレの席に選ばれるのが新月だ。懐石料理だからお値段はそれなりに張るけど、良い旅の思い出を作りたいならバシッと決めたい。

予約した弁当を石山寺の庭や瀬田川のほとりで食べるのも乙だろう。

前滋賀県知事と前大津市長が揃って、観光プロモーションで石山寺を訪れた際に供された「紫式部弁当」 ※2013年

完全予約制な。

レトロな瀬田川の遊覧船

瀬田の唐橋をくぐる「一番丸」のデッキ上部には〝頭上注意〟の文字

明治時代に琵琶湖を航行した外輪汽船「一番丸」をイメージして造られた遊覧船だが、瀬田川クルーズを前提に設計されているので、とにかく風が心地好いのだよ。近江大橋を越えて琵琶湖まで出るとビュービュー吹きつけても、瀬田川では優しいそよ風になる。デッキにはゆりかもめが寄ってくる。
唐橋をはじめとする橋をくぐるのも壮観だ。
以前は、ガイドさんが乗り込んで生トークや歌で楽しませてくれたが今はない。チャーターするとガイドを付けられるので、小中学校の教育旅行に最適かもな。音声案内が録音になってもミシガンよりもこっちがお薦めだ。特に子供は賢く素直であってほしいと思う親御さんには。運航日に訪れるならぜひ乗りたいところだ。

一番丸の席は自由席だ。指定席に座りたい方は、琵琶湖汽船のランシングが予約制なので、こちらをおすすめする。船に乗ったまま大津港大津湖岸なぎさ公園に隣接)に行ける。

結論

石山寺門前で真にお薦めできるのは、「日本料理 新月」と「瀬田川・琵琶湖クルーズ 一番丸」。えっ、人気のあの店が出ていない?だからホントのお薦めがタイトルなんだよ。

この秋は大河ドラマもあって、休日は混雑が予想されるので、昼食は正午前に済ませないと席取りすら難しいだろう。予約できる店なら早めに確保しておきたい。

「成瀬シリーズ」著書の宮島未奈による石山寺訪問記

山門前に電柱電線が一切なく見晴らしが良い。 撮影は宮島未奈(オオツメモ)

宮島が言うように山門に至る歩道(石山紫の道)は小綺麗で歩きやすい。きっと成瀬あかりも子供の頃は、遠足などで石山寺を訪れたことだろう

宮島は意図的に石山寺ほかの観光施設を「成瀬シリーズ」に登場させないんだろうな。成瀬聖地巡礼一般的な大津観光の違いについては、のちに詳しく述べる予定だ。


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