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わたし。

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「わたし」というお話。 日記ではない。「わたし」のことをとりとめもなく、まとまりもなく。
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92.わたし東京へ帰る電車で。

久々に綴りたくなってここを開く。

擦れた気持ちなの、
それでいて何かを生み出したくなるような、
不思議な夜。不思議な街、東京。

鈍色の街に虹色の絵の具を
ぶちまけたいのに
夜空には牛乳をこぼして
天の川でもこしらえたいのに
マスクの下、無表情を決め込んだわたしには
そんな力はなくて
ガラガラとスーツケースを引いて
大股に現実を歩く、現実へ歩く。

東京には何でもあるね、なんて
今ある宝物に気が

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91.わたし、少女を捨てられない。

お久しぶりのわたし。
思い悩んで、わたし。
どうぞ綴らせてください。
どうか語らせてください。

変化を求めて飛び込んだ
その世界で
求めていたはずのものを得たはずなのに
結局わたし少女を捨てられずに
自分自身への嫌悪感を強めています。

愛されたいと願ったくせに
愛されることが、怖い。
応えられない自分が苦しい。

あの頃のわたしを振り返る。
あの頃のことを決して後悔だけのものに
したわけではな

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84.わたし、いつの日か。

84.わたし、いつの日か。

ここに文章を綴らずに済んでいるのは
わたしが大丈夫になってきた証です。

あの時のわたしより、幾分大人になりました。

ウソツキだった猫は
嘘上手になって
今日も今日とて今日をそれなりにやり過ごし
時に芝居に本気になって
のらりくらりと1匹で気楽に過ごしております。

時折耳に入ってくる
死にたくなったあなたの話。
あぁ、元気そうなその声の裏側に
人はなんてものを秘めているのだろう。

今日を生き

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83.わたし、ひとりぼっちは怖くない。

83.わたし、ひとりぼっちは怖くない。

好奇心がわたしを強くする。

どこにだって行ける気がするのが東京の利点だ。
今日もひとり、わたしは電車に揺られ旅に出る。
電池の切れない言葉を紡げるツールがあったならいいのに、ノートではあまりにも零れ落ちるものが多すぎて。

ひとりぼっちはとても身軽だ。
ひとりぼっちは怖くない。
でもたまに、ふと、誰かに会いたくなる。

カバンの中には台本が入ってる。
音楽を聞く機械も入ってる。

でも、きっとそ

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82. わたし、愛想笑いも。

82. わたし、愛想笑いも。

近頃、愛想笑いをする機会を
なるべく減らしてきたように思う。

なるべく
楽にいられる場に身を置いて
愛想笑いをしなければいけない場を避けて。

たまたま
昨日今日と久しぶりにそういった集まりが続いた。
職場の飲み会と、大学時代のクラスの集まりだ。

今日、無理に笑っているせいか
頬が痛くなってきている自分に
心の中で苦笑い。
似つかわしくない場に、無理に身を置き続けるのは辛い。
そういうオーラ、

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81. わたし、言葉の魔法をかける。

81. わたし、言葉の魔法をかける。

もうすぐ年末だ。
もうすぐ今年が終わる。
まだ気が早い? いやいや。

時の流れはあっという間だ。
はじまったと思った12月はあっという間に過ぎ去って
あっという間にクリスマスが過ぎてお正月になるだろう。

気持ちが現実に追いつかない日々。
気がついたらどんどん置いてきぼりにされる。
だけど、だから
忘れないようにしないといけない。
わたしがやりたいこと。どうしていきたいかということ。

今、来年

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80. わたしの最近気がついたこと。

80. わたしの最近気がついたこと。

わたし、最近気がついたことがあるんです。
正しく言うと、気づかせてもらったこと。

「どうして芝居をやりたいの?」

その質問がずっと苦手だった。

どうしてって、好きだから。
演じたいから。
それ以上でもそれ以下でもないよ。
どうして芝居をやりたいかなんて
そんなの忘れてしまった だって
気がついたら演じることに惹かれていた
小学生の頃から…

それが今までの釈明

有名になりたいわけでも
お金

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79. わたし、どこにも行けない。

79. わたし、どこにも行けない。

自己アピールができないのは
役者として致命的
喋れないわたしは今日も
にこ にこ にこ。

待ってるだけじゃ
どこにも行けない。

羽のように軽く
飛び回れる人ならともかく
今のわたしは石のよう。

海に投げ込まれたなら
ぶくぶくぶくと沈んでしまうわ。

待ってるだけじゃ
どこにも行けない。

石のように重い
わたしをわざわざ
引いてくれる人もない。

若さという免罪符も
そろそろ底をつき
キラキ

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78. わたし、誕生!

78. わたし、誕生!

あっ きっと今頃 分娩室!
お母さん、頑張ってる頃かも。

12時に休憩をいただき
トイレに立ち寄った。
鏡に映る自分は、ちゃんと仕事をしている
大人の女性。

27年前の今日、13時02分。
わたしがこの世に生まれた時刻。

あれからすくすくと育ち
今では身長167cm。
化粧をするようになった。
眼鏡をかけるようになった。

時の流れは不思議だ。
27年という歳月は、赤ちゃんを大人にしてしまう

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77. わたし、中途半端に宙ぶらりん。

77. わたし、中途半端に宙ぶらりん。

中途半端に宙ぶらりんで
書けなくなってしまった。

演劇のこと、演劇を語るわたしのこと、
ここでの主軸は、お芝居のことだったから、
やめるのも、続けるのも
宙ぶらりんに引っ掛けて、今、いる。

それで何かを綴ろうとすると、
まるで嘘つきみたいだって思ってしまう。

それを語るのを避けている自分がいる。

お芝居は好きだよ。演じたいって思う。
でも、今の場所でのことが中途半端で

片足だけを吊るされ

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76. わたし、一人旅。

76. わたし、一人旅。

ベッドでスマホをいじっていたら
いつもと変わらないので外に出た。

水音が聴こえる。
虫たちが鳴いている。
自然に心を洗ってもらう。

思い切って一人旅に出た。
宿泊込みの一人旅は初めてだ。
20代も後半に差し掛かろうというのに
いかにわたしが小さな世界から
怖がって、飛び出していかなかったかがよく分かる。

飛び出してみたら
なんてことなくて、
何を怖がって、何を自分自身で閉じ込めて
小さく小さ

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75. わたし、笑顔で武装。

75. わたし、笑顔で武装。

癒やされました、と
言ってもらえることがある。

2度目だった。
それも、所謂、デート、というものをした後に言われた言葉だった。

お硬いわたしがいけないのか。

わたし、とことん、恋愛には向いてないと思う。

それは鎧だよ。
笑顔で装ってるの。演じてるのよ。
本当は、気を遣ってへとへとだよ。

それが仮に本心ならば
あなたばかり癒やされて、ずるいと思う。
わたしはあなたの何なの?

わたしそんな

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74.わたしに朝をありがとう。

74.わたしに朝をありがとう。

おはよう。

朝は偉大だ。
1日の始まりを告げるひかり。
エネルギーをくれる。
また朝を迎えさせてくれてありがとう。
また新しい1日をくれてありがとう。

昨日は何もできなかった。
久々の何も予定がない日で
やりたいことはあったけど
気持ちが動かなかった。

冷房直下にずっといると頭痛が起きる。
けど窓を開けると暑くて
月に一度のもののはじまりで
お腹も変に重かった。

腹痛にうなされて
薬を飲ん

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73. わたしと夏。

73. わたしと夏。

夏が来た。
もくもくの入道雲。麦わら帽子。
強い日差しに目を細めながら。
ひんやりと喉をうるおして、賑やかに走り抜けていく
透明サイダー。

カランコロン。
そう響くのは、ラムネのビー玉か、下駄の音か。
半分こして食べた、チューチューアイス。

1時間に1本の電車に乗るために
全力で走った、駅までの田舎道。制服。

高校生の頃のわたしは、毎日何に悩んで、何を考えて
四角い教室で、黒板を見つめていた

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