78. わたし、誕生！

あっ　きっと今頃 分娩室！
お母さん、頑張ってる頃かも。

12時に休憩をいただき
トイレに立ち寄った。
鏡に映る自分は、ちゃんと仕事をしている
大人の女性。

27年前の今日、13時02分。
わたしがこの世に生まれた時刻。

あれからすくすくと育ち
今では身長167cm。
化粧をするようになった。
眼鏡をかけるようになった。

時の流れは不思議だ。
27年という歳月は、赤ちゃんを大人にしてしまう。
目の前にいる0歳の赤ちゃんたちも
27年後には大人になっている。
(あ、わたし、お仕事は保育士をしています)

今一笑懸命後追いをしてくれる
この男の子も、27年後にはすました青年になるに違いない。

27回目繰り返された誕生日は
だんだんと特別感が失せてくる。
それでも、保育士をしていると、唐突になんの脈絡もなく、小さな子がケーキを作ってお祝いしてくれることがある。今日も。

まわりの先生にはわざわざ言わない、けど、
「ねぇ、実はね、先生今日が本当にお誕生日なんだ」
「しまじろう誕生日と一緒！」(by.2歳児)

0歳児クラスを担当するようになって、
自分が赤ちゃんの時はどんなだったか気になるようになった。
離乳食はちゃんと食べられる子だったのか
よく泣く子だったのか、笑う子だったのか
どんな遊びをしてたのか

27回繰り返された誕生日は
だんだんと特別感が失せていくけれど
27年前の今日は、確かに特別な日だった。

母はどんな思いで
父はどんな思いで、
わたしの誕生を受け止めたのだろう。

13時2分。
子どもの午睡記録をつけながら。

あっ　生まれた　生まれた！

連休にかこつけて、これから
実家に帰ります。家族でお祝いをするのです。

ミニトランクには
ささやかなロゼワインを忍ばせて。

27年前の今日、わたしを生んでくれて
ありがとう。