92.わたし東京へ帰る電車で。
久々に綴りたくなってここを開く。
擦れた気持ちなの、
それでいて何かを生み出したくなるような、
不思議な夜。不思議な街、東京。
鈍色の街に虹色の絵の具を
ぶちまけたいのに
夜空には牛乳をこぼして
天の川でもこしらえたいのに
マスクの下、無表情を決め込んだわたしには
そんな力はなくて
ガラガラとスーツケースを引いて
大股に現実を歩く、現実へ歩く。
東京には何でもあるね、なんて
今ある宝物に気がついていない人が吐く台詞だわ
ここには何でもあるけど
なんにもないの
空っぽを