【簡単あらすじ】トイプー警察犬メグレ(微ネタバレ)【七尾与史/講談社タイガ】
『悪意や殺意には臭いがある』
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犯人だけを見つけるトイプードル警察犬と、それに振り回されながらも、動機や証拠を見つけ犯人逮捕につなげる刑事らの物語。
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本作は、各事件毎に章が分かれている構成になっています。
プロローグ
あるベッドタウンで、ここ一ヵ月に十件程度の放火事件が続いている。
対象になっているのは空き家なため、今のところ死人は出ていないが、住人は恐怖で怯えていた。
その現場に、まるでぬいぐるみのようなトイプードル・メグレと、そのハンドラー・早乙女俊介の姿があった。
第一章
フレンチの鉄人と言われた料理人・小澤一輝が、自身の三ツ星レストランの厨房で殺された。
現場は、防犯カメラの設置されていない位置での犯行。
そして、ホテルの守衛が見回りに出ていた時に現場を訪れ、犯行後に現場を離れたのか、犯人についての情報は得られない。
犯人はホテルの内部事情に詳しい者か、それとも身内の犯行なのか…
第二章
錦織嗣治という男性が自宅マンションで変死体で見つかった。
ノスフェラン三井というヘビメタミュージシャンの熱狂的ファンである錦織は、首を吊る前に、カメラに向かって遺書代わりに話している上に、首を吊ったシーンも撮影されていた。
錦織の件については、誰が見ても状況からは自殺にしか考えられないが、メグレのシッポは「ある人物が犯人」だと指摘する。
八乙女や所轄の女性刑事佐倉綾香が背景を調べると、今回の事件の二週間ほど前に、ノスフェラン三井も首を吊っていたことが判明する。
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本作品の作者・七尾与史さんは、以前レビューしました「全裸刑事チャーリー」や「死亡フラグが立ちました!」、「ドS刑事シリーズ」のような、奇抜な舞台設定と登場人物のクセの強さが特徴と思われがちですが、こういった柔らかな・一般的な作品も書けますし面白いです。
上記作品のイメージを持ったまま読み始めると、少々拍子抜けしてしまうかもしれませんが、犬好きの私としては、このような作品も大変アリだと思います。
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