【簡単あらすじ】冷たい手(微ネタバレ)【水生大海/光文社文庫】
アパレル店員の国枝朱里は、8月・夏休みが近づくと小学生時代に巻き込まれたある事件を思い出し、体調を崩すことが多くなる。
ある夏の日、朱里と同じ過去の記憶を共有する友人の秋葉典子から「某有名アパレルの社長と結婚する」と朱里は報告されるが、その結婚について、ワイドショーにも取り上げられるような大きな騒動が発生してしまい、結果的に結婚は破談となる。
さらにその後、典子は誰かに殺されてしまう。
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主人公の国枝朱里には、小学生時代に思い出したくない過去を持ち、それは忘れようと努力はするものの決して忘れられない過去でもあります。
ある夏、友人である秋葉典子への殺人容疑をかけられてしまい、その疑惑を晴らすために、強制的に過去に向き合わなくてはならないという、過去が現在まで追いかけてくるミステリと言えます。
水木大海さんの作品は、ランチ探偵シリーズのような明の作品と、だからあなたは殺されるのような暗の作品に分けられますが、本作は間違いなく暗のミステリに分類されます。
主人公だけでなく、警察官や犯人にも一癖も二癖もある登場人物が揃っているため、スッキリ爽やかな読了感にはなりませんが、会話や生活描写に伏線があり、判明すると納得出来るミスリードも含まれるなど、ミステリ作品としてしっかりと練られています。
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水木大海さんに興味を持った方に、一作目としておススメする作品ではありませんが、既に水木大海さんの他作品を読了した方で、さらに他も読了してみたいと考えている方におススメの作品です。
また、個人的な感想ですが、水海大海さんは、主要登場人物(もしくは主人公)に、イヤらしい(=読者を不快にさせる)警察官を描写することがとても上手です笑
ですので、是非そこにも注目して頂ければと思います。
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