【簡単あらすじ】推理大戦(微ネタバレ)【似鳥鶏/光文社文庫】
日本の大富豪が発見した聖遺物を巡り、各国の名探偵が参加する「推理ゲーム」が開催される。
アメリカ・ウクライナ・ブラジル・日本などから、特殊能力を持った名探偵たちが北海道の雪深い村に集結した。
しかし、そのゲームは本当の殺人事件が開始の合図となった…
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ひと言で言うと、今年読んだ作品の中で、一・二を争うほど面白かった作品です。
しかし、今年一「ボリュームが足りない」と思ってしまった作品でもあります。
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様々な思惑が絡み合った聖遺物獲得推理ゲームが、北海道の雪深い村で開催される。
参加するのは、
1.アメリカ代表・AI探偵シャーロット
FBI捜査官も舌を巻く推理力の持ち主。個性的な「犯罪捜査用AI」を使いこなす。
2.ウクライナ代表・クロックアップ探偵ボグダン
思考速度が通常の数十倍から百倍以上にもなる「クロックアップ」能力の持ち主。
3.ブラジル代表・霊視探偵マテウス
嘘を100%見抜く「魔眼」の持ち主。自身とブラジルのためにどうしても聖遺物の獲得を目指す。
4.日本代表・五感探偵高崎
「鋭敏な五感」の持ち主。現場での情報収集能力と犯行状況の再現能力は完全無欠。
など各国の名探偵たち。
初めて訪れた土地であり事前情報が全く無く、主催者が入念に準備したゲームとはいえ、優れた特殊能力を持った名探偵が複数人いるのだから、あっさりとゲームが終了してしまうのではないかという危惧もあったが、それは(幸か不幸か)実現せず、主催者が事前に考えていたものとは違った展開で推理ゲームは進行する。
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上記したように、
今年読んだ作品の中で、一・二を争うほど面白かった作品ですが、今年一、「ボリュームが足りない」と思ってしまった作品です。
とても面白い作品でしたが、推理ゲームに参加した名探偵たちは、人間的にも・背景的にも・特殊能力的にも大変魅力的だったので、「全406ページ」では全く足りない・不完全燃焼感を感じてしまいました。
私はあまり上下巻や複数巻の作品は好きでないのですが、今作に関しては、二巻以上の作品にして欲しかったです。
(ちなみに、以前レビューしました「探偵が早すぎる」も上下巻でしたが大変満足した内容です)
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本作は、各登場人物が真実に辿り着くために知略を巡らし、時には糾弾し・時には庇い・時には同じ目的のために協力するという、まさにミステリ作品!と言えるものなので、多くの方におススメ出来る作品です。
個人的には、アメリカ・ウクライナ・ブラジル・日本などの各名探偵を主人公にした作品を読みたい、と思うレベルで魅力的に感じましたし、もっともっと各主人公を掘り下げ、そして各主人公が活躍するシーンを読みたかったです。
是非とも続編、もしくはスピンオフ作品を!
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