【簡単あらすじ】ざんねんなスパイ(微ネタバレ)【一條次郎/新潮文庫】
連鎖する不条理が癖になる!?
ユーモアとスパイアクションがほどよく混ざり、様々なジャンルを楽しめる作品。
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という一文からスタートする物語。
任務のために、ある街に引っ越してきた老スパイ(第一線で活躍してきた?御年73歳)。
スパイであるからには、任務達成まではなるべく目立たないように過ごすことがセオリーであるはずなのですが、
1.「突然現れ、素性が明らかにならないまま墓に埋められてしまったキリスト」
2.「隣に住む大泥棒?マダム」
3.「新聞社所属の謎の美人記者」
等のクセの強い登場人物が登場し否応なしに絡んでしまいますので、傍から見て、決して退屈しないストーリーが展開されます。
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途中で、謎のスタンプとともに「この街から出ていけ!」と書かれた手紙が投かんされた、といったように、謎も深まりそれを解き明かす『ミステリ風』の感じで進んでいきます。
老スパイと任務(市長の暗殺)のストーリーについては、ある程度途中で終了します。
では、そこからは何が書かれているかと言いますと、(こちらが本編かもしれませんが、)巨大なリス、略してキョリスが登場し、ひょんなことから知人(知リス)となった老スパイとともに行動します。
このキョリスは会話を「当然」しますし、街は爆撃&暴動が発生し、その中を動き回る場面展開がスピード感満載なため、非日常的なイメージが強く、老スパイとキョリスの場面に私は童話的なイメージを感じました。
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終盤は少々リアリティが帰ってきたものの、何故か皆で踊る場面があり、私の頭の中には、ム●ゥ踊るマハ●ジャのようなエンドロールが流れておりました。
最後まで読み終わった後の巻末には、何故かサウンドトラックもついており(本当です)、面白かったのですが、読了後は何が何やらよく分からない感情です(このレビューも、考えが上手くまとまっていません…)
上記を読んでも、どのような小説か分からない方も多いと思いますが、分類するとすれば、文庫本の装飾に書かれていた「傑作ユーモア・スパイアクション」(ユーモアが先に来るのがポイントです)というジャンルがぴったりと言えます。
小説にリアルさや納得感を求めていない方、もしくは、自分の頭の中をめちゃめちゃにして欲しい方に是非読んで頂きたい小説です。
最後は、文庫本版の帯に記述された某書店員の方の誉め言葉?でまとめるのが一番良いと思います。
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