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【簡単あらすじ】ドS刑事/朱に交われば赤くなる殺人事件(微ネタバレ)【七尾与史/幻冬舎文庫】
人気番組のクイズ王が、クイズ番組収録後に喉を包丁で掻き切られた状態で発見された。
ドSな美人刑事・黒井マヤは、相棒の代官山、ドMなキャリア組の浜田らとともに事件の捜査を始めるが、捜査の上絞り込んだ容疑者は、同様の手口で殺害された母親を残し失踪する。
その自宅を捜査すると、「悪魔祓い」を信仰するカルト教団の祭壇があり…
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『はじめに』
暑い毎日もようやく落ち着き、時季も読書の秋に近づいてきまして、読書もしやすい季節になりました。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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朱に交われば赤くなるとは、
人は周囲に影響されやすいため、自身の周りにいる人によって、自分自身が善悪どちらにも感化される。
という意味ですが、この作品では、「誰」が「誰」に「いつ・どのように」感化されたのか、ということがポイントになります。
主要な登場人物であるクイズ王阿南は、個人で学習塾を経営していることもあり、学習塾関連でも大きな出来事が起こります。
私も以前、学習塾の塾長として社会人生活を送っておりましたので、阿南の苦悩に共感しながら読み進めることが出来ました。
しかし、黒井マヤはドSな刑事であるため、登場人物たちの苦悩には全く耳を貸しません。
前作、風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件では、
犯人が対象を次々焼死させるという異常性や、黒井マヤの趣味といった内面がクローズアップされていました。
しかし、今回は、真正の?ドMである東大法学部卒のキャリア・浜田警部補が加わったうえ、「喉を包丁で掻き切る」という前作を上回る殺害方法のため、「ドS刑事」というタイトルに相応しく内容がパワーアップしていると言い切れます。
ただ、上記のように前作よりも異常性が増した内容になっているとしても、それでも、私のようなホラー苦手人間でも、グロすぎて読了することが出来ないような表現になっていないところが、作者・七尾さんの能力の高さだと思います。
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巻末で中山七里さんが解説しているように、読者を楽しませたいというサービス精神旺盛な作者、七尾与史さんのさらなる作品製作を期待しています。
※今作中で何度も記載されている、
ダリオ・アルジェント監督の「サスペリア」は、1977年に実際に製作されており、イタリアンカルトホラーの金字塔という噂です。
私は観ることは出来ませんが(笑)、そちらの方面に強い方は一度ご覧になってはいかがでしょうか?
普通のミステリー好きな方だけでなく、
ドSな女性の日常生活の描写が好きな方や、
自身がドMで、ドSからのお仕置きを受けてみたい方にも
おススメの作品です。
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